米国・独立リーグで秋を迎えた渡辺俊介 サブマリンの手応えとMLBへの思い

山岡則夫@innings,Co.

手応えをつかんだ米国1年目、目指す舞台は来年もメジャー

米国1年目のシーズン終盤を迎えた渡辺。異国の地でつかんだ手応えとメジャーへの思いを口にした 【河野大輔@innings,Co.】

 打者に対して余裕が出てきたことも結果につながっている。先発、中継ぎとフル回転で8勝2敗(現地時間9月21日現在)と好成績を残し、チームのプレーオフ進出に大きく貢献している。

「中継ぎが楽しくて、手応えをつかんでいた時に先発が足りなくなった。仕方なく先発に戻ったという感じ(笑)。こっちは日本より先発と中継ぎの差が少ない。先発は中4日で投げるし、球数制限もあるから100球以上はあまり投げない。中継ぎもブルペンで準備したら必ず投げる。抑えやセットアップと同じような条件で投げられる。そうするとシーズン中の体のコンディションも作れる。どちらかというと先発に近い。だからどちらもスムーズにできました」

 まずは独立リーグの舞台で結果も残し、手応えもつかんだ。メジャーの舞台も少しずつ見えてきた。

「メジャーリーガーとの対戦は正直、少ない。そこに通用しないとメジャーには呼んでもらえない。そこが自分自身、分からない部分。今ここで手応えをつかんでいるけど、『本当にこれでよいのか……』というのはずっと持ちながらやっている」

「ウインターリーグなど実戦を重ねていかないといけない。よりレベルの高いところでプレーしている打者と対戦をしていかないと、最後のところはつかめないんじゃないかな……。練習ではなく、試合の中でつかむというのが求められている」

 日本球界復帰か?

 そんな見出しが新聞紙上をにぎわしたこともあった。だが渡辺本人が目指しているのはあくまで野球界の「トップ・オブ・トップ」。

「何となくつかめつつあるのに、1年で帰国したらもったいない。まずは来年、メジャーのキャンプに挑戦することしか考えていない」

 強い信念を持ち、挑戦を続けるサブマリンがメジャーのマウンドに立つ姿をぜひ見てみたい。

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著者プロフィール

1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌Ballpark Time!を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、製作するほか、多くの雑誌やホームページに寄稿している。最新刊は「岩隈久志のピッチングバイブル」(株式会社舵社)。Ballpark Time!オフィシャルページにて取材日記を定期的に更新中。

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