「ローマはバランスの良い補強をした」

　スクデット争いは昨シーズン同様にユベントスとローマの争い、この２チームにヴィディッチの補強でディフェンスラインが安定したように思える（テストマッチを見る限り）インテル、そしてナポリとフィオレンティーナが絡んで来ると予想。

　ずばり僕の本命はローマ。バランスの良い補強プラス攻守の切り替えの早いリュディ・ガルシアのイズムがより浸透してきていると思えるから。

　３連覇中のユベントスは選手たちに「勝ち疲れ」があらわれてきているように思える。
　もう１点監督の交代（コンテからアレグリ）による戦術面での修正がマイナスに作用すると予想。ＣＬの最後のポストは僕自身の期待を込めてインテルと予想。予想が的中するかどうかは別として、数チームが最終節までスクデット争いを繰り広げる展開を期待したい。

　降格チームは、セリエＢから昇格したばかりのエンポリとチェゼーナ、そしてジェノア。

　予想がつかないのが新監督ズデネク・ゼーマン率いるカリアリ。ゼーマンの超攻撃的４−３−３がうまく機能してブレイクするのか、はたまた見事にこけてしまうのか、どちらの状況も想像してしまう。うまく機能する場合、カリアリがヨーロッパリーグ出場権獲得レース争いに加わり、カリアリのアタッカー（例えばセンターＦＷを担うと予想されるマルコ・サウ）が得点王を取るというサプライズも考えられる。よって個人的にはゼーマンのカリアリはいろいろな意味で要注意。

　最後に注目選手はローマのミラレム・ピアニッチ。大黒柱のフランチェスコ・トッティが９月２７日で３８歳となり、昨シーズン以上に休ませながらの起用となるため、ピアニッチ（２４歳）の役割がより重要になってくるだろう。

【ホンマ氏の予想】

優勝　　：ローマ
ＣＬ圏内：ユベントス、インテル
降格　　：エンポリ、チェゼーナ、ジェノア
注目選手：ミラレム・ピアニッチ（ローマ）

「国内では敵なしのユベントス」

　まずユベントスにとって、コンテ前監督の辞任は大きな損失となるに違いない。昨季の優勝メンバーはほとんどが残留し、最終ラインにパトリス・エブラを加えたとはいえ、突出した“超一流”がいないチームにとって、これまで積み上げてきたものを失ったのはあまりにも大きい。今季のユベントスはリーグ４連覇の偉業に挑むが、昨季グループリーグ敗退の苦汁を飲まされただけに、ＣＬでいい成績を残したい気持ちも強いだろう。チームの中心にいるのはジャンルイジ・ブッフォンやアンドレア・ピルロといったベテラン選手であり、新しい監督の意向を汲みながら長いシーズンをどう戦い抜くかは熟知している。さらにエブラ加入による４バックへの移行がフィットすれば、昨季よりスケールアップすることは間違いない。アレグリ新監督の采配に注目したい。

　次に推したいのがインテル。マッツァーリ監督２年目でチームの成熟度は日に日に増しており、そこへヴィディッチやヤン・エムビラ、ガリー・メデル、パブロ・オズバルドといった即戦力を的確に補強。確実に戦力をアップさせている。さらに将来有望な若い原石が多く在籍しているだけに、ベテランとの融合で化学変化も生まれそうだ。また、個人的には長友の活躍にも期待している。日本人選手が歴代苦戦してきたカルチョの国イタリアで、これほどまで安定してレギュラーの座をつかみ、ついにはゲームキャプテンを任されるまでになった。自身の目標である世界一のサイドバックに向け、さらなる飛躍のシーズンになることを望んでやまない。

　一方で、ライバルのローマとナポリも充実した補強に成功している。特に昨季ＣＬとの掛け持ちに苦しみ、３位に終わったナポリは、今季はプレーオフで敗れてしまったこともあり、スクデット獲得に意欲を燃やしてくるだろう。

　近年白熱した残留争いを繰り広げているセリエＡだが、今季もその傾向は踏襲されることになりそうだ。戦力的に見て、昇格してきたばかりのチェゼーナ、エンポリとカリアリを予想した。

【編集部サッカー担当Ｓの予想】

優勝　　：ユベントス
ＣＬ圏内：インテル、ナポリ
降格　　：チェゼーナ、エンポリ、カリアリ
注目選手：アンドレア・ピルロ（ユベントス）