アギーレ監督「全員がゼロからスタート」 ウルグアイ、ベネズエラ戦メンバー発表

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ロシアで誇りを持って戦えるチームを作るための時間

「走らない選手は呼ばない」。アギーレ監督は選考の基準を明確にした 【スポーツナビ】

――広島で大変な(土砂)災害があったが、アギーレ監督からメッセージをいただきたい。

アギーレ 私も報道は見ているので、たくさんの方が亡くなったことは知っている。亡くなった方々のご家族にお悔やみを申し上げたいと思う。協会としてどのような支援をするのかは現時点で把握していないが、私が協力できることがあればぜひ協力したい。

――大変激しくタフに戦うというコメントが監督から出ている。一方で勝たなくてはならないが、日本代表は各カテゴリーでFIFA(国際サッカー連盟)の大会でフェアプレー賞を受賞してきている。監督は過去に相手チームの選手を蹴ってしまい、退席になったこともあるが、こういうことは日本代表の監督としてどう消化しているか?

アギーレ 私は、12年間いたスペインで2回の退席処分を受けている。メキシコ代表では80試合で1回の退席処分を受けている。メキシコリーグには5年間いたが、1回の退席処分になった。日本代表はこれからもフェアプレーヤー賞をもらえるだろう。ヒールになって相手をけがさせたり、悪意のあるプレーをしたりすることはない。もちろん激しく戦う。

――アギーレ監督、最初のミーティングで選手たちにどう声をかけるのか。原委員長、香川と原口のけがの具合はどうなのか?

アギーレ 最初は初めて会った人に皆さんがするように自己紹介をする。そこからは、これがゼロから始まるプロジェクトであることを伝える。そしてロシア(W杯)で誇りを持って戦えるチームを作るための時間が4年間あるということを話したいと思う。

 けがの内容の細かいことについては、ドクター同士で話しているので、ここで細かく言うことはできないです。ただ今回の招集期間に100パーセントでプレーできるかを話したときに、それは難しい。日本まで移動することを考えると、それは難しいという結論になりました。あとはクラブから発表できることはすると思います。

――会見の最初の方で、監督は「相手よりボールを持つチーム、相手より攻撃するチーム、しかしバランスの取れたチーム」ということを言っていた。しかし「相手よりボールを持つチーム」というのが少々意外だった。ポゼッションサッカーについて尋ねたい。まず当面の戦いがアジアである、アジアカップが目標ということで、これを掲げているのか、あるいは4年間のスパンでの方向性ということでこれを掲げているのか?(矢内由美子/フリーランス)

アギーレ もちろんウルグアイ戦も、ベネズエラ戦も質の高い、経験を積んだ選手がいるチームとの戦いだから楽な試合にはならない。ただし、長期的な目標は先ほど言ったことだ。

走らない選手は呼ばない

――ゼロから再出発ということは、試合のスタメンもW杯のメンバーが軸というより、新しく考えるということでよいか?

アギーレ もちろんそうだ。W杯が終わってから時間も経っているので、ゼロからのスタートだ。この23人で最も状態が良い選手、直前の3つの練習のセッションで、最も私のやりたいことを理解する選手たちを選びたいと思う。

――2点ある。就任会見で「コミットメント」ということを挙げていた。今日の会見でも「責任」という話が出てきた。キーワードに照らし合わせて、具体的に選手にどういう姿勢やプレーを求めたいか。もう1つは選考の過程において、スタッフ会議の中で、監督の好みの選手を見た霜田技術委員が、走れなかったり、戦えない選手はいなくなるんじゃないかという感想を持ったようだが、監督もそういう基準で選ぶのか?

アギーレ 試合は90分ある。1試合の中でインプレーの時間は45分から48分で、つまり半分くらいだ。それ以外のところはレフェリーが試合を止めている、スローインになっている、給水している時間だ。そしてピッチには22人が立っている。ボールは1つだ。平均を割り出すと、1人が約2分ボールを持つという計算になる。ボールを2分持つとすると、88分間はボールを持っていない。じゃあその88分の中で、選手たちは何をしているのか。私はそれを見る。チームに対するコミットメント、責任、チームのことを考えているのか見ている。霜田さんがそれを言ったかどうかは分からないが、その通りだ。走らない選手は呼ばない。

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