楽に続けられ、効果の出るトレーニング 上達のコツ直伝!シリーズ 第5回

ACS編集部

POINT(3)イメージを変えるだけで、より効果的に!

左:腰(股関節・臀部)主導のスクワット/右:膝主導のスクワット 【(c) Athlete Career Support】

 スクワットというと、右下写真の動きをイメージされる方が多いのですが、実は左下写真のような動きをするとより効果的なのです。上半身を安定させ、腰(股関節・臀部)主導で動かすスクワットは、多くの筋肉を使えてトレーニング効果が高いのです。一方、膝主導になってしまっている場合は使う筋肉も少なくなり、同じ1回でも効果が変わってきます。

左:椅子の少し前に普通に立つ/右:椅子に座るだけで腰主導のスクワットになる 【(c) Athlete Career Support】

 この腰(股関節・臀部)主導と膝主導の違いは、1人ではなかなか分からないため直しにくいのですが、身近にある椅子を使って実施するとあまり意識せずに正確な腰(股関節・臀部)主導のスクワットができます。

 椅子に座るようなイメージで腰を落としていってみてください。実際にモデルの方は「何も意識しないでできた。これなら家でも誰でもできるかも」と感動していました。自分でスマートフォンなどを使って撮影してみてもいいでしょう。自分のイメージとずいぶん違っているかもしれません。

左:膝に手を置いて姿勢を保持する/右:壁に手をついてバランスを取りながら 【(c) Athlete Career Support】

 スクワットは正しい動きで深く行うとかなり負荷のかかる運動です。無理をすると膝や腰のけがにつながる可能性もあり、続かなくなります。バリエーションを変えたり、支えをつけたり、深さを浅くするなどレベルを下げたスクワットで、楽な動きから始めてみましょう。

POINT(4)マンネリをやめよう

 トレーニングといったら「腹筋、背筋、腕立て!」とか、毎日決まった回数をやれるまで寝ないなどと目標を高く設定していませんか? それでは、なかなか継続できないのではないでしょうか。少しやり方と考え方を変えるだけで、飽きずに続けられるようになりますので、そのポイントをお伝えします。

(1)飽きたら同じ種目を続けない!
 人間誰しも飽きやすいもの。飽きてツラくなってきたらすぐ運動の種類を変えてしまえばいいんです。変化がでるだけで楽しくなり、いろんな部分をトレーニングできます。

(2)一曲トレーニングをやってみよう!
 自分の好きな曲を選んで、その曲が流れている間だけトレーニングしてみましょう。運動がキツくても、好きな曲を聴いているだけでテンションが上がり動きも良くなるはず。

(3)オールアウトするまでやる!
 回数だけを気にしていると、手を抜いたり、間違った動きをしてしまいます。回数なんか気にせずに、全力を出し切ってオールアウトするまで1セットだけやってみましょう。その日できた回数から自分の体調とも向き合えるのでオススメです。

 今回、モデルの方に約1時間の指導を受けてもらう中で「体が動きやすくなった」「骨盤を意識できた!」「ここに効いている」「これで良かったんだ!」「簡単な動きだけど疲れた」など、自分の体の新たな発見をした言葉が多く聞こえてきました。

 みなさんは今まで先入観や思い込みなどで、勝手にハードルを上げてしまって続かなくなることが多かったのではないでしょうか。正しいやり方やポイントだけ抑えていれば、そのほか決まりなんてないんです。

 これまでの経験や習慣だけに頼らずに、自分の今の体の状況を知ってそれにあったプログラムを実践すること、つまり“考えかたを変える”“達成感を味わう”ことが楽にトレーニングを続け、効果が現れることにつながるのです。

 早速、今から一曲選んで、楽しくトレーニングを始めてみましょう!

小平健太郎プロフィール

S&C(Strength & Conditioning) Coach。専門学校でトレーニングや体の仕組みに関わる講義を行いながら、学生から社会人選手へのトレーニングやコンディショニング(疲労回復など様々な身体的準備)の指導を行う。

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著者プロフィール

元十種競技選手の奥山剛史が代表を務める、株式会社アスリート・キャリア・サポート。「スポーツはみんなを元気にする。」をコンセプトに、人とスポーツとの関わりをデザインし、躍動感あふれる社会をつくるためにさまざまなアイディアでスポーツを楽しみ愛する人を応援していきます

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