アギーレ就任に尽きない不安要素 ザッケローニの後任として適任なのか?
うのみにできないW杯の実績
W杯ではメキシコ代表を率いて2度ベスト16入りを果たすなど実績を残しているが、戦術や振る舞いなどに不安は尽きない 【写真:ロイター/アフロ】
確かにアギーレの場合、02年大会、10年大会ともに予選途中で代表チームの指揮権を委ねられ、不振に陥っていたチームを立て直して本大会出場に導いた。選手に戦う姿勢を植えつけ、勝負強さを発揮させるモチベーターとしての手腕は備えているが、面白みには欠ける。同じメキシコ代表でも、リカルド・ラ・ボルペが率いた06年ドイツ大会のチームはハイプレスや複雑なポジションチェンジを駆使した厚みのある攻撃などが印象的で、ミゲル・エレーラ監督が率いた14年ブラジル大会のチームも、ブラジルやオランダといった強豪と互角以上の戦いを演じており、可能性を感じさせた。
一方でアギーレのチームは、02年大会、10年大会ともに印象が薄く、ベスト8以上に進める可能性は低かった。最低限のノルマは達成できるが、そこからの上積みはなかなか望めないというのが今までのアギーレのチームだ。
品位に欠ける振る舞いに不安も
不安要素は尽きないが、アギーレが代表レベル、クラブレベルのいずれにおいても実績を残しているのは紛れもない事実。今回、日本以外の国からも代表監督就任の打診を受けているように、各方面から高い評価を得ている。その豊富な経験を生かし、どんな相手に対しても戦う姿勢を示せるチームを作り上げてくれることに期待したい。くれぐれもピッチ外で騒動を巻き起こし、選手たちがプレーに集中できない環境を作り出してしまうことだけは避けてほしいものだ。