船木と藤原組長の間にある数奇な運命… 7.2リアルジャパンプロレス見どころ
S・タイガーが戦う「ライバルたち」と「内なる敵」
藤波辰爾(ドラディション)、長州力(リキプロ)、スーパー・タイガー
高岩竜一(フリー)、タカ・クノウ(チーム太田章)、関本大介(大日本プロレス)
そして、もう一方のダブルメインイベント、藤波辰爾&長州力&スーパー・タイガーvs.高岩竜一&タカ・クノウ&関本大介の6人タッグマッチは、下半期のリアルジャパンマットを占う上で重要な試合になる。
リアルジャパンマットを担う存在にまで成長したS・タイガーにとって、この試合には2つの勝負がある。1つ目は当然、「ライバルたちとの戦い」だ。レジェンド王座を保持しているだけに、相手チームの3人は次期挑戦者候補にあたる。
特に関本に対してはこれまでの何度か名指しで対戦を熱望しており、2人のファイトからは目が離せない。また、昨年の12.12後楽園大会で名勝負を展開したクノウとの絡みも見物。一騎打ち直後にS・タイガーは「初代スーパー・タイガーと藤原組長の試合に少しでも近づけたとしたらうれしい」と語っており、同日に実現するであろう初代タイガーvs.藤原との間接的な勝負として見ても面白いかもしれない。
そして、S・タイガーに課せられた2つ目の勝負は、「パートナーであるレジェンド選手たちとの戦い」になる。リアルジャパンのファン層は幅広く、昔からプロレスを応援してきた古参マニアも多い。いくらS・タイガーが現在進行形の戦いをライバルたちと繰り広げようと、ファンの視線は藤波と長州に集中してしまうのは否めないだろう。
それをどこまで自分に引き寄せられるのか。最近はプロレスリング・ノアや大日本プロレス、ハードヒット、U−FILE等に参戦し、以前から求めている他団体勢との戦いに向け着実に歩みを進めているS・タイガーだが、ホームリングであるリアルジャパンでは4.16代々木大会で骨折負傷中とはいえ、消化不良のファイトを見せてしまい、ファンを心配させてしまった。その禊(みそぎ)をキッチリと果たし、下半期の飛躍につなげたいところだ!
“鈴木対決”の裏テーマは間下のケンカファイト!
鈴木みのる(パンクラスMISSION)、齊藤彰俊(プロレスリング・ノア)
鈴木秀樹(フリー)、間下隼人
ダブルメインイベント以外にも気になる対戦カードが出揃った。
第4試合の鈴木みのる&齋藤彰俊vs.鈴木秀樹&間下隼人のタッグマッチは大会名の『DIG UP〜発掘〜』が最も相応しい対戦カードだろう。
IGF離脱後も、ZERO1や全日本プロレスで確かな存在感を発揮している鈴木秀樹はリアルジャパン初参戦となる。そのファイトスタイルや師匠たちの名前を見ても、“ストロングスタイルの復興”を目指すリアルジャパンにピッタリなレスラーであることは間違いない。毎回リアルジャパンプロレス興行では客席から観戦しており、以前よりリアルジャパンマットへの参戦を熱望していただけに本人の気合も十分。初代タイガーやS・タイガーの対戦相手としても面白い存在になることは確実だ。
ただ、相手チームが鈴木みのる&齋藤になるだけに、“顔見せ”で終わるはずがない。当然、「みのる」は初対決となる「秀樹」を“鈴木は2人もいらない”とばかりに叩き潰しにいくはず。「秀樹」も先輩の圧力に引くようなタイプではないだけに、感情のぶつけ合いになることは確実。ファイトスタイルから見ると共通点も多いだけに、クラシカルなテクニック勝負にも注目したいところ。
プロレスリング・ノアに再入団を果たしたばかりの齋藤はリアルジャパンマット参戦2戦目で鈴木みのると初タッグを結成する。前回の4.16代々木大会では、メインイベントで初代タイガーと一騎打ちを行い、好勝負を奏でた。絶好調をキープしており、空手家時代から磨きを掛けてきたその牙も鋭さを増している。「みのる」とのチームワーク、そして「秀樹」との初激突も見物だ。
そして、この試合の裏テーマと言えるのが“虎の子”間下の存在だろう。他団体に参戦する機会も増え、着実に成長している間下だが、リアルジャパンのファンが求めるラインはもっと高い。先輩のS・タイガーが大きく成長を遂げたキッカケのひとつは鈴木みのるとの因縁だった。鈴木対決に割って入り、相手チームの視線を自分に集めるほどの“ケンカファイト”を見せてほしいところだ。
このほか“力道山3世”力、“喧嘩師”我龍真悟のリアルジャパン2戦目など前半カードも凄いぞ!
<第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
アレクサンダー大塚(AO/DC)、我龍真悟(フリー)
小笠原和彦(PRO・KARATE押忍闘夢)、佐藤光留(パンクラスMISSION)
第3試合には4.16代々木大会でプロレスデビューを果たした元キックボクサーの我龍真悟が登場。アレクサンダー大塚とのタッグで、小笠原和彦&佐藤光留組と対戦する。
デビュー戦では大塚&柴田正人の力技に大苦戦した我龍だったが、今回は自分の持ち味を出しやすいはず。空手家・小笠原との蹴り合いや、デビュー戦のパートナーだった佐藤との関節技合戦で自分の魅力を存分に披露したいところ。
だが、レジェンド王座戦線を見据える大塚や佐藤、そして自らのアピールでリアルジャパン参戦を果たした小笠原たちも美味しいところを取らせるつもりはさらさらないはず。前半戦にはもったいない刺激的な戦いを見せてくれそうだ。
<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
折原昌夫(メビウス)、“力道山3世”力(リキエンタープライズ)
グラン浜田(フリー)、柴田正人(U−FILE CAMP)
第2試合は“力道山三世”力と折原の師弟コンビがグラン浜田&柴田正人と対戦するタッグマッチ。4.16代々木大会にも参戦し、セイバーチョップを披露してリアルジャパンファンを沸かせた力が2大会連続で出場する。
前回は父・百田光雄がパートナーに付いたが、今回は鬼教官・折原のみ。ましてやテクニシャン・浜田と巨漢ファイター・柴田が相手となるだけに、苦しい戦いが予想される。デビューから半年が過ぎ、次なるステップに進みたい力としては、父親が横にいない時こそ結果を出したいところだが……。
<第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
スーパー・ライダー
若翔洋(Yamaishi Pictures)
第1試合は若翔洋とスーパー・ライダーの一騎打ち。普段はリアルジャパンの門番として若手や他団体の選手に胸を貸すことが多いライダーにとって、巨漢ファイターとの対戦は久しぶりのこと。蹴りと関節技で崩していきたいところだが、若翔洋も引かないだろう。なかなか結果が出せない若翔洋だが、レスラーとしては進化を遂げているだけに、ここで門番を下してトップ戦線に浮上する青写真を描いているはず。オープニングマッチにはもったいない好勝負が期待できそう。
見逃せない全6試合が並んだ後楽園大会。まだまだジメジメした梅雨が続いているが、そんな鬱積した空気を吹き飛ばすほどの熱い戦いが展開されるだろう!