フランスの二の舞を避けたいスペイン 凋落を見せる前回王者に必要な修正
修正を加えない限り、チームに未来はない
カシージャスのミスがクローズアップされているが、問題の本質はそこではない 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
スペインが抱える問題はボール支配の有無ではなく、守備の堅さ、攻撃のバリエーション不足、それが自分たちの趣向に反する存在であるかのようにストライカーやロングボールの使用を放棄してしまったこと、そしてあまりにも意外性のない選手たちの動き方にある。
そのため自分たちとは対照的に鋭いカウンターを武器とし、ロビン・ファン・ペルシーやアリエン・ロッベンのようなスピードと決定力を擁するチームと対戦すれば、今回起こったような悪夢が繰り返される可能性は十分にある。
今はカシージャスのミスばかりがクローズアップされているが、彼が他の決定機で見せたセーブがなければ傷口がさらに広がっていたことも忘れてはならない。
無得点のまま早々と帰国の途に就く可能性も
デル・ボスケもそれに似たことをするかもしれないが、コンセプトを変えることなく名前を入れ替えるだけでは何も修正することはできない。そしてもし必要な修正を行わなければ、前回王者かつ優勝候補として臨みながら無得点のままグループリーグ敗退に終わった2002年日韓大会のフランスと同様に、スペインも早々に帰国の途に就くことになるだろう。
当時のフランスは4年前の優勝メンバーがチームの大半を占めていた。それは今大会のスペインに通じる点だ。ゆえにもしフランスの二の舞となりたくなければ、スペインは第一に自分たち自身が変わることから始める必要がある。
(翻訳:工藤拓)