日本に勝機! 緒戦から見えたギリシャ “堅守速攻”にほころび 高さには注意

西部謙司

ミドルシュートとコンビネーションで崩せる!

日本戦に勝利しなければいけないギリシャ。うまくハメれば、勝機はある! 【写真:ロイター/アフロ】

 日本に対してギリシャは攻撃に出てくるだろうが、長くは続かない。結局は日本にボールを支配されるだろう。

 深く引いたときのギリシャの守備には定評がある。ハイクロスを跳ね返す能力は高く、ボディーコンタクトの強さがある。スペースを狭めて守られるとなかなかこじ開けられない。日本が過去に対戦したチームの中では、オーストラリアの守備に近いイメージである。

 弱点は、スペースを小さくするために人を集めて守っているので、ディフェンスラインの手前が空きやすい。日本はミドルシュートを打つチャンスがあるはずだ。
 人を潰しにいくときはパワーがある。体を入れてキープしたつもりでも、強引に奪い取るパワーがあるので注意しなければならない。接触プレーはなるべく避けたい。
 ただ、日本はもともとドリブルに頼る攻め方はしておらず、ギリシャは素早いコンビネーションについていけないと思う。

 センターバックのコンスタンティノス・マノラスはあまりスピードがないので、カウンターのときはここから破れる可能性が高い。香川真司や大久保嘉人など、クイックなプレーにはたぶんついてこられない。ギリシャはファウルで止める回数が多くなる。中盤では素早くリスタートして攻撃を継続させたい。

 緒戦のギリシャを見る限り、日本が不安を抱くような要素はない。

 セットプレーの高さは要注意だが、流れの中ではさほど放り込みはしてこない。前線の足下に当ててくる攻撃なので、その点も日本にやりにくさはないだろう。
 最初は当たりの激しさに苦労するかもしれないが、ボールは支配できるし、チャンスも作れる。確かにギリシャの守備は堅いが、日本のような機動力のあるコンビネーションプレーは苦手だろう。力を発揮すれば十分勝てる相手である。

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著者プロフィール

1962年9月27日、東京都出身。サッカー専門誌記者を経て2002年よりフリーランス。近著は『フットボール代表 プレースタイル図鑑』(カンゼン) 『Jリーグ新戦術レポート2022』(ELGOLAZO BOOKS)。タグマにてWEBマガジン『犬の生活SUPER』を展開中

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