何があっても国民は代表を支持!=ウルグアイ領事に聞くお国情報
W杯に出場するウルグアイ代表の中で注目度No.1となるのがスアレス。国民からの期待も大きいようだ 【Getty Images】
イタリア、ウルグアイ、イングランドの優勝経験国3チームがそろった“死の”グループD。その中でも突破有力なチームに挙げられるのがウルグアイだ。今季のプレミアリーグ得点王であるルイス・スアレス(リバプール)を擁するが、「(スアレスが)国内で一番注目を集めています」と語るのはフェルナンド・ペレダ領事(34歳)。スアレスは前回の2010年南アフリカW杯大会では、相手のシュートを手で止めて一発退場となっているが、「チームを助けたいという気持ちが前面に出て、あのような行動に出てしまったのだと思っています。ウルグアイ国民全員が彼を支持しています」と同国のスターの活躍を信じている。
開催地がブラジルということで、50年大会で優勝した際の再現までも期待されている今大会。しかしペレダ領事は、「最大の優勝候補はブラジル。その次に、イタリア、アルゼンチン、スペイン、オランダ、ドイツなどがあり、さらにその次の組にウルグアイが入っています」と謙虚な姿勢。それでもウルグアイ国民が常に目指すところは「優勝」のみだ。
サッカー選手の人気は“大統領”並み!
ウルグアイ大使館のペレダ領事は、サッカーのスター選手は大統領並の知名度があると話す 【スポーツナビ】
もちろん、サッカーはウルグアイでNo.1のスポーツです。伝統も長く、前世紀初頭から楽しまれています。W杯の前には24年パリ大会、28年アムステルダム大会の五輪で連覇しています。そのおかげでFIFA(国際サッカー連盟)がウルグアイに第1回のW杯開催地を要求し、モンテビデオ(ウルグアイの首都)を主な会場にして開催されました。
なぜウルグアイでサッカーが始まったかというと、ウルグアイでの鉄道仕事関係で海を渡ってきたイングランド人の影響で国に広まったからです。そこから徐々に人気が高まって、常にNo.1のスポーツとなっています。
――やはりサッカー選手は人気のある職業ですか?
そうですね。やはりサッカー選手は人気があり、有名選手ともなると、“大統領”と同じぐらいの人気ですかね(笑)。
――その中で、今回のW杯で注目される選手は誰になりますか? 日本ではセレッソ大阪にフォルランがいるということで、注目されていますが?
そうですね。フォルランももちろんそうですが、やはりイングランドで得点王になったスアレスが注目を集めていますね。
――スアレスといえば、気性の荒い性格で有名ですが、それでも人気?
それが彼のスタイルですから(笑)。前回のW杯で相手シュートを手で防いでしまいました(※準々決勝のガーナ戦。1−1の際、ドミニク・アディアーのシュートを手で止め、一発退場となった)。ですが、スアレスをずっと見てきているわれわれにとっては、その行為が故意に行われたとは思っていません。その瞬間、チームを助けたいという気持ちが前面に出て、あのような行動に出てしまったのだと思っています。ウルグアイ国民全員が彼を支持しています。
――なるほど。その南アフリカW杯ではフォルランが大会MVPにも輝いていますが、やはりフォルラン人気も健在というところですか?
そうですね。ただ今はスアレスが好調ですので、そちらのほうが人気は高いですね。また、南アフリカで4位に入り、11年のコパ・アメリカでも優勝しているので、ウルグアイのサッカーが再起したということで、今は人気が再爆発している状態です。
――フォルラン、スアレスという攻撃的な選手を輩出しているウルグアイですが、やはり国内でも攻撃的な選手が人気なのでしょうか?
ウルグアイでは伝統的に中盤の底、「5番」の選手に人気があります。いわゆる、ボランチのことですね。その選手がチームのキャプテンであり、チームを代表する選手、チームの顔という感じでしたが、最近はストライカーが点を取ると、新聞の表紙になったり、テレビで紹介されたりもするので、ストライカーの人気も高まっています。ただ、どのポジションにも有名な選手がいて、国民はどのポジションも好きです。