レッドブルはPUに不満あり、次はホンダ?=赤井邦彦の「エフワン見聞録」第28回
ルノー製PUに不満のレッドブル
なかなかメルセデスに勝てないレッドブル。ルノーを見限り、他のパワーユニットを使うことを考えている? 【LAT Photographic】
ところが、このルノー製PUに関して「来年以降は使用したくない」と考えているチームがポロポロ出てきているという噂を耳にした。「シーズンが始まって5戦も消化したのに改良の余地が認められない。この調子だとこれから先も思いやられる」。このように考えるチームが出てきても不思議ではない。そして、そのように考えているチームの筆頭がレッドブルだという。
レッドブルの関係者に聞くと否定も肯定もなし。まさか今、肯定するわけにはいかないだろう。なぜなら、レッドブルは以前メルセデス・エンジンへの変更を断念した経緯があるからだ。
レッドブルの狙いはF1復帰のホンダか……
しかし、レッドブルが新しい次のステップを探していることは確実だ。プライベートのレーシングチームが特定の自動車メーカーとあまりに長い蜜月時代を過ごすということはまずあり得ない。それが長くなればなるほど緊張は緩み、お互いに求める厳しさは姿を消す。競争の世界でそれは命取りだ。また、今回のようにチームか自動車メーカーかどちらかに相手に対する不信が生まれると、関係は長く続かなくなる。ゆえに、レッドブルが今、ルノーとの関係の先を模索していても不思議ではないし、行き着く先がホンダであることも不思議ではない。
再びホンダ栄光の時代が到来?
「これからF1の世界にお邪魔しようとしているわけですから、先輩のみなさんへのあいさつは欠かせません。レッドブルもその中の一つです」とは、ホンダ関係者の言葉だ。
それにしても、2015年からのF1参入に関してはホンダは相当な覚悟を持って臨んでいるようだ。「参戦期間に区切りはつけない」とも言う。このホンダの積極的な姿勢はどこから来るのだろう? やはり「ホンダはF1があってナンボの会社である」ことを、社員自身が自覚しているのではないかと思う。そして、F1に参加するからには勝たなければ意味がないことも分かっている。かつてマクラーレンとロータスへ、あるいはウイリアムズへエンジンを供給してF1を席巻したホンダ。マクラーレンとレッドブルへのエンジン供給が決まれば、われわれは再びホンダ栄光の時代を経験できるかもしれない。
『AUTOSPORTweb』
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