魅力ある新国立競技場に必要なもの、夢のスタジアム計画の現状を担当者が語る
すべての人に魅力的なスタジアムに
2019年春に完成予定の新国立競技場について山崎氏(右)と松瀬氏が語り合った 【スポーツナビ】
1)プレーする選手のための快適な芝生
2)快適に観戦するための開閉式の屋根
3)50年以上活用するべく、FIFA(国際サッカー連盟)W杯招致も視野に入れ、その要件も満たす
さらに山崎氏は私見として、「選手の高揚感を高めるべく、競技場の入り口には特別な施しをしたい」という考えも示し、選手、観客双方にとって素晴らしいスタジアムを作りたいという思いを明かした。
「売店、レストランなどは改善されますか?」と松瀬氏は飲食面でのさらなる充実を要望。これに山崎氏は「今は表に出ないと買い物に行けませんが、コンコースに売店を設置します。また、イベントがない日でも場内のレストラン、カフェに来てもらって街のにぎわいを作り、パリのエッフェル塔、シドニーのオペラハウスのようにしたいです」と述べ、新スタジアムを東京の新たな観光名所にする案も披露した。
多様な意見が出る新国立競技場問題
――新国立競技場によって周辺環境はどのようになりますか?
国立競技場のある神宮外苑は風致地区にも指定されています。これまでにいただいたご意見も踏まえて、規模はコンパクトにして周りとの調和を目指し、植栽をするといった取り組みを考えています。今後も多くのご意見をいただくと思いますが、真摯に受け止めていきます。
――総工費はいくらくらいで、その財源はどこから出ますか?
東京五輪・パラリンピック開催決定後、政府内の協議を経て、1692億円という総工費が決まり、それにあわせた設備を考えています。財源は国費、スポーツ振興くじの収益などで全体の工事費を賄う予定です。
――外観ばかりが話題ですが、バリアフリーは考えられていますか?
パラリンピックを開催するということもあり、その点は配慮します。最寄り駅から段差なくフラットに移動できるデッキ、車いすの方が安心して楽しめる観客席、エレベーター、トイレなどの設備は充実させたいと思っています。
――今の国立競技場の芝生は販売しますか?
5月末まで「SAYONARA国立競技場」というイベントを開催していますが、芝生だけでなく座席が欲しいという要望もあります。なので、内覧会などを行って記念品として引き取ってもらうことも検討しています。
あなたにとってラグビーとは?
「選手が気持よくプレーできる競技場を作りたい」と思いを明かした山崎氏 【スポーツナビ】
これからもラグビーを見て、関わっていきます。2019年W杯を目指して新国立競技場は作られるので、これからもラグビー関係者のみなさんと対話をして、楽しんでいきたいと思っています。
協力:(公財)日本ラグビーフットボール協会