なでしこ、W杯出場決定も満足せず アジア杯制覇へ向けて、3戦を振り返る
活性化したチーム内競争
佐々木監督が「立ち上がりが悪かった」と振り返る初戦のオーストラリア戦では、なでしこの課題が浮き彫りとなった 【Getty Images】
そして第3戦。引き分け以上でW杯出場が決まるというシチュエーションで、なでしこは控えメンバー中心の布陣で試合を迎えた。ヨルダンの特徴も事前にしっかり把握していたようで、右サイドハーフの中島依美を起点にしたサイドアタックから多くのチャンスを作った。その中島が2得点を挙げたほか、吉良千夏が代表初ゴールを含む2得点、阪口夢穂も2得点を決め、相手オウンゴールも合わせて7−0と圧勝した。シュートシーンにはいずれも迫力があった。テレビなどで戦いを見守った人たちは、ジリジリした過去2戦とは打って変わって、胸のすく思いとともにW杯出場決定の瞬間を見届けたことだろう。
試合終了後、中島は「今日の相手に対してもうちょっとできるようでなければ、世界で戦うのは難しいと感じています。個人ではクロスの精度、シュートの決定力をもっと高めないといけません。また、タイミングよく中央に入るコンビネーションなどの質も高めたいです」と気を引き締めた。これからの1年間で、W杯のメンバー入りをかけたチーム内の競争が活性化する。
目標はあくまでもアジアカップ優勝
そして、ヨルダン戦をベンチで見守った宮間は、W杯の出場権獲得にも満足した様子を見せようともしない。彼女たちの目標は、アジアカップを制覇することだ。「だから、ここがスタート地点です」と、キャプテンは言葉を締めくくった。