今年のF1が“面白くない”3つの理由=赤井邦彦の「エフワン見聞録」第27回
毎年スペインGPのスタートは、スタートイン側の取材エリアで見る赤井氏。昨年までと比べてやはり音が小さく、迫力が大きく削がれてしまった印象を受けたという 【赤井邦彦 Kunihiko Akai】
感動を与えない小さなエンジン音
一番大きな理由は、エンジン音が小さいことだろう。実を言うと、私はエンジン音などどうでもいいと思っていた。抜きつ抜かれつの接戦があれば、レースはエンジン音なんてなくても興奮すると思っていたのだ。ところが、実際にコース脇に行ってF1マシンが走る姿を目の当たりにすると、音がないと感動を覚えないということを知らされた。そもそも抜きつ抜かれつの接戦が少ないということもある。だが、エンジン音が小さいことで、F1そのもののエネルギーが小さいように感じたのだ。
速さでGP2に負けるF1
新技術を多用し、将来を見据えたパワーユニットを採用したという点は評価すべきだ。しかし、それによってF1の音やパワーといった魅力が削がれてしまうのでは、本末転倒だと思う。
硬く、滑りまくるタイヤ
フェラーリのタイヤ担当・浜島裕英氏も「滑りまくりですよね」と指摘する。ドライバーで最も分かりやすく不満を表したのはフォース・インディアのセルジオ・ペレス。「去年の失敗(柔らか過ぎるタイヤ)から学んだと言うが、あまりにコンサバ過ぎるタイヤになった。もう少ししっかりと走ることのできるタイヤを作ってほしい」と言う。ピレリは、「我々は最適なタイヤを作ってきた。去年の事象に対して過剰反応をしたわけではない」と答えた。
ピレリのタイヤはF1だけで評判を落としたわけではない。GP2でもドライバーは口々に不平を言う。「走行ペースを変えなければ問題ないが、少しでも前を行くクルマを抜こうとしてアタックすると、すぐにグリップを失ってしまう。このタイヤではまともなレースはできない」と。う〜ん。
正常に戻るかどうか……課題は山積み
今のF1、解決しなければならない問題は山積してるぞ!
『AUTOSPORTweb』
【AUTOSPORTweb】
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ