ザックが選ぶ23選手はいったい誰か 識者が言及するサプライズ選出の可能性

構成:スポーツナビ

清水英斗(サッカーライター)

香川がトップ下に移るとSHが手薄となるため、岡崎と似た動きができる工藤を選んだ 【写真:FAR EAST PRESS/アフロ】

「23人目にはいろいろな考え方ができる」

 焦点になるのは、22人目のサイドハーフ(SH)の人選と、23人目に滑り込む選手のポジションだろう。22人目には過去のメンバー選考から、ドリブラーとジョーカーを兼ねる齋藤が濃厚。一方の23人目については、いろいろな考え方ができる。オーソドックスな選択肢は、SHを選ぶこと。なぜなら他のポジションとは違い、トップ下の本田には明確な控え選手が存在しない(そのために23人目を選ぶすき間が生まれている)。本田の控えの第一候補が香川であるため、香川がトップ下に移る状況を想定すると、SHが手薄になる。そこで岡崎と似た働きができる工藤を選んだ。

 23人目の他の考え方としては、けがによって不安が残るポジションを補充すること。特に重傷を負ったボランチの長谷部がトップコンディションに戻らない場合を想定すると、23人目にはボランチとして、青山が滑り込む可能性は高い。

 そしてもう一つの考えは、23人目に対戦相手を考慮した選手を入れること。その意味では豊田も有力だ。組織的なディフェンスに穴が見られるコートジボワールには、クロスに対してファーサイドへ流れてヘディングを狙っていけるし、ギリシャに対してはセットプレーに対抗する戦力としても価値は高い。豊田にも充分に可能性がある。

 最後にCBについて。このチームで本田と同等に代えが利かないのは、実は吉田だ。その控えはおそらく伊野波になるが、タイプ的に、吉田がやっているディフェンス統率を任せられるかは疑問が残る。希望を込めて、国際試合の経験もある鈴木をCBの控えに推したい。

【清水氏が選んだ23名】

GK:
川島永嗣
西川周作
権田修一

DF:
今野泰幸
吉田麻也
森重真人
鈴木大輔
長友佑都
内田篤人
酒井宏樹
酒井高徳

MF:
遠藤保仁
長谷部誠
山口蛍
細貝萌
香川真司
本田圭佑
岡崎慎司
清武弘嗣
齋藤学
工藤壮人

FW:
大迫勇也
柿谷曜一朗

北健一郎(スポーツライター)

試合の流れを変えるジョーカー役として、南野のような若くて勢いのある選手が入ってもおかしくない 【写真:FAR EAST PRESS/アフロ】

「最大の焦点は『長谷部をどうするか』」

 最大の焦点は「長谷部をどうするか」だろう。1月に右ひざ半月板を負傷して以来、実戦から遠ざかっているキャプテンを連れて行くのか――。ただ、チームの精神的支柱である長谷部の場合は「外したときのリスク」のほうが大きい。だからコンディションが50%以上であれば、ザッケローニ監督はメンバーに選ぶのではないか。
 常連メンバーの中で外れる可能性があると予想するのが清武。直近の代表戦だったニュージーランド戦で見せたパフォーマンスは“スランプ”といっていい出来だった。清武はテクニックがあり、ボール保持率を高めるには有効な選手だが、試合の流れを変えるジョーカー役には適していない。2列目の本田&香川が不動で、なおかつ岡崎の状態が良いことを考えれば、南野のように若くて勢いのある選手が入ってもおかしくない。
 また、当落線上の選手の中では工藤は入れておきたい。岡崎にもしものことがあったとき、裏に飛び出せて、前線からアグレッシブにディフェンスができる工藤は貴重な“岡崎のスペア”になれるはず。柏ではCFとしてもプレーしており、ポリバレント性もある。

【北氏が選んだ23名】

GK:
川島永嗣
西川周作
権田修一

DF:
内田篤人
酒井宏樹
長友佑都
酒井高徳
吉田麻也
今野泰幸
森重真人
伊野波雅彦

MF:
遠藤保仁
長谷部誠
山口蛍
青山敏弘
本田圭佑
南野拓実
香川真司
齋藤学

FW:
岡崎慎司
工藤壮人
大迫勇也
柿谷曜一朗

スポーツナビ編集部サッカー担当

慎重派として知られるザッケローニ監督はいかなる決断を下すのだろうか 【Getty Images】

「勝ち抜くためにはベテランの力が必要」

 国の威信を懸けた大舞台では、いかにチームが一つになれるかが重要。けがの具合は気になるが、やはり長谷部の存在は欠かせない。編集部はその長谷部を含む『確定枠』を19名とした。

 残りの4名をどう選ぶか。まず考えたのが“ベテラン”の必要性だ。過去を見ても、グループリーグを突破した02年の日韓大会では秋田豊と中山雅史、10年の南アフリカ大会では川口能活といった精神的支柱になれるメンバーが含まれていた。オフ・ザ・ピッチでチームを盛り立て、かつ戦力としても計算できるメンバーは限られる。楢崎正剛、田中マルクス闘莉王、佐藤寿人らの名前も挙がったが、前回大会の経験に加え、現在好調を維持し、攻撃のオプションとしても期待できる大久保と中村を選出した。この2人ならば本田や香川ら主力組との連係面にも不安はない。

 あと2つの枠には、清武と齋藤を入れた。所属クラブで不調だった前者だが、2列目のポジションを全て高いレベルでこなせるユーティリティー性はやはり捨て難い。後者に関しては、ギリシャなど対戦国の特徴を考えると、必要なのは「高さ」ではなく「ドリブラー」と判断した。


【編集部が選んだ23名】

GK:
川島永嗣
西川周作
権田修一

DF:
今野泰幸
吉田麻也
森重真人
長友佑都
内田篤人
酒井宏樹
酒井高徳

MF:
遠藤保仁
長谷部誠
細貝萌
山口蛍
本田圭佑
中村憲剛
清武弘嗣
齋藤学
香川真司
岡崎慎司

FW:
柿谷曜一朗
大迫勇也
大久保嘉人

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