【ゴルフ】女子プロをレベルアップさせるアマの躍進=「1年に2回もアマに勝たれるのは……」

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勝が「卒業までのプロ転向はない」と断言

「サイバーエージェントレディス」でアマチュアながら2位に入った森田(左)と4位タイの堀 【写真は共同】

 4月の「KKT杯バンテリンレディスオープン」で15歳の勝みなみが史上最年少優勝を果たし、その勝が再び試合に出場するとあって、先週の「サイバーエージェントレディス」では、開幕2日前に異例の共同記者会見が行われた。

 最大の注目は石川遼(当時16歳)を大幅に塗り替える最年少プロゴルファー誕生なるかだったが、会見で勝は「高校に入ったばかりですし、卒業まではプロ転向は考えません」と優勝で掴んだ有効期限(4週間)以内でのプロ転向はないと断言した。

“私、なにか変なこと言いました?”とでも続けそうな素の表情が印象的だった。勝としては特別悩んだ訳でもなく、こともなげに答えたひと言。周囲の大人たちも、納得してうなずくしかない。優勝した直後から1度も心が揺らぐことはなかったという。

プロの威信にかけても優勝を――

 その勝は大会初日に出遅れ、2日目も伸ばせず予選落ちに終わった。その2日目に今度は堀琴音(18歳)と森田遥(17歳)が、ツアー史上初となるアマチュア2選手が首位となった。

 さすがに、この状況には同大会に出場中のプロたちにも焦らないわけがない。最終日に2打差でアマチュアを追いかけることになった一ノ瀬優希は「アマチュアはプレッシャーがないから攻めることを怖がらないし、緊張もしていない。ただ毎週のように上位に来ているので、プロとしてはその上に立たなければ」と背筋を正した。

 また、日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長は、最終日に上位でスタートする選手たちに「頑張って」と、プロの威信にかけても優勝を狙って欲しいとエールを送った。スーパーアマチュアは1人で十分、2人も3人も出現してしまってはプロの立場がないというのが協会関係者の心情だ。

最終18番でV決めた一之瀬「勝てて良かった」

 その最終日はアマチュア2選手とラウンドした元世界ランキング1位の申智愛(韓国)がスコアを伸ばしたが突き抜けることができず、前半を終わって申智愛、森田、一ノ瀬が首位で並ぶ展開に。そして、最終18番で劇的なチップインイーグルを奪った一ノ瀬が、2位の森田を振り切って今季2勝目を果たした。

「試合に出ればプロもアマも関係ないとは思いますが、1年に2回もアマチュアに勝たれるのもどうかなと思って…。勝てて良かったです」とうれしそうに話す一ノ瀬。のびのびとしたプレーをするアマチュアの躍進が、女子プロたちの精神面や技術のレベルアップに一役買っているとも言えそうだ。

(文・本橋英治)
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