ジマーマン、完璧の高地対策で連続KO=グローリー16デンバー大会リポート

遠藤文康

ウェルター級タイトルマッチ結果・戦評

デ・ボンテがカラパチアンに判定勝利を収め、初代ウェルター級王者を獲得した 【Glory Sports】

○マーク・デ・ボンテ(ベルギー)
(判定2−1:48−47、47−48、48−47)
●カラペト・カラパチアン(アルメニア)
※デ・ボンテがウェルター級王者に

【戦評】 本来ならニキー・ホルツケンがデ・ボンテとタイトルを争うはずだった。しかし東京でのトーナメント優勝後にホルツケンは肩を故障し、先のクロアチア大会で行われる筈だったこのタイトルマッチは今大会へ延期された。しかし、ホルツケンの回復は意外に時間がかかりそうで、グローリーは代役としてカラパチアンを抜てき。
 デ・ボンテはホルツケンを2度破っているオーシー・オズグニをグローリー6イスタンブール大会で秒殺KOに葬っている。アルメニア出身のカラパチアンはオランダでキックに磨きをかけ昨年の東京でのトーナメントでホルツケンに負けたが、先のクロアチア大会ではアルトゥール・キシェンコを撃破している。また2年前にカラパチアンはデ・ボンテに判定負けしており今回はタイトル戦とともにリベンジをかけた戦いでもあった。
 試合は最終ラウンドまでもつれこみ、うれしい判定はデ・ボンテに。肩が復調すればホルツケンとのタイトルマッチが予定されている。

ヘビー級コンテンダートーナメント結果・戦評

アンダーソンは初戦のハリトーノフ戦で判定までもつれ込み、決勝では体力が消耗していた 【Glory Sports】

<ヘビー級 リザーブファイト>
○ザック・ムエカッサ(コンゴ)
(1R2分33秒 左アッパー→KO)
●パット・バリー(アメリカ)
【戦評】 08年までキックボクサーだったバリー。志願してホースト門下になった経歴があり、K−1にも参戦して、そこそこのキャリアを築いたものの、08年にMMAへ転向。MMAが性に合ったのかのっけから3連勝したことでUFCの目にとまり契約選手となる。試合のほとんどがKOかタップなので分かりやすいスタイルがファンに好まれた。戦績はキックも総合もほぼ五分の成績。6年ぶりキック戦となる今夜は地元の大声援を受けて入場した。

 両者様子をうかがいながら最初にハイキックを繰り出し突っ込んで行ったのはバリー。地元ファンの期待を背に果敢に攻め込んだ。その攻撃を下がりながら上手くさばくムエカッサ。「知名度はないがムエカッサは危険だよ。ボクシングキャリアがある」と語ったのはグローリーのコル・ヘメルス統括。頭を下げて攻めるバリーはガードが低く甘いので、ムエカッサのカウンターパンチが決まる。それを嫌がる素振りのバリー。6年ぶりのキック戦で今ひとつ。動きもスタイルも総合からキックに戻っておらず何か思うように行かないという感じだ。ムエカッサはそんなバリーの技量を見抜いた模様で、右フックから左アッパーをかすらせるとバリーは嫌倒れ風にダウン。

 時間を取って立ち上がり呼吸を整えたバリー。ムエカッサはバリーを呑んでかかりパンチラッシュから左アッパーをドンピシャで決めた。両足を揃え真後ろに腰から倒れ大の字にダウンしたバリー。カウント不要で試合は終わった。コーナーに上ったムエカッサが場内に勝利をアピールした。地元期待のバリーのグローリーデビュー戦は厳しい結果となった。

<セミファイナル2>
○エロール・ジマーマン(オランダ)
(1R2分50秒 右フック→KO)
●ベン・エドワーズ(オーストラリア)

<セミファイナル1>
○アンダーソン・シウバ(ブラジル)
(判定3−0:29−27、29−27、29−27)
●セルゲイ・ハリトーノフ(ロシア)

<ファイナル>
○エロール・ジマーマン(オランダ)
(1R2分30秒 3ダウンによるTKO)
●アンダーソン・シウバ(ブラジル)

スーパーファイトシリーズ結果

<ヘビー級>
○ジャマル・ベン・サディック(モロッコ)
(2R1分24秒 3ダウンによるTKO)
●ニコラス・ワンバ(フランス)

<ヘビー級>
○ベンジャミン・アデグブイ(ルーマニア)
(2R2分59秒 KO)
●ダニエル・サム(イギリス)

<ミドル級>
○アルテム・レヴィン(ロシア)
(判定3−0:29−27、29−27、29−27)
●ロバート・トーマス(カナダ)

<ライトヘビー級>
○アルテム・ヴァキトフ(ロシア)
(判定3−0:30−26、29−27、29−27)
●イゴール・ユルコヴィッチ(クロアチア)

<ウェルター級>
○レイモンド・ダニエルス(アメリカ)
(1R1分47秒 スピニングヒールキック→KO)
●フランチョイス・アンバン(アメリカ)

<ライト級>
○ジョシュ・ジャウンセイ(カナダ)
(延長判定3―0:10−8、10−8、10−8)
●ワレン・ステフェルマンス(南アフリカ)
※延長の場合は4Rのみで判定

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