元WBA王者・河野が王座返り咲きに自信=老獪なデンカオセーンに「後半競り勝つ」
デンカオセーンは「したたかで老獪な選手」
王座返り咲きに気合十分の元WBA世界Sフライ級王者・河野公平 【スポーツナビ】
河野は66戦(62勝3敗1分・26KO)のキャリアを持つデンカオセーンの印象を「前半はすごい強く、パンチも速くて一発がある。後半は失速してくるなというのはありますけど、クリンチとかしてきて、したたかで老獪な選手」と語る。デビュー以来ずっと河野と二人三脚でやってきた高橋智明トレーナーはデンカオセーン対策として「右の大振りの一発が怖いけど、そこを逆手にとってカウンターを合わせること。後半に疲れるとクリンチをしてくるので、そこをほどく、もしくはバックステップで外すこと」を徹底的にやってきたという。
トレーナーが「過去最高の仕上がり」と太鼓判
デンカオセーン対策として至近距離でのショートパンチを徹底的にやってきたという河野 【スポーツナビ】
普通は相手に当てないマスボクシングながらも、パンチを食らって鼻血を出した高橋トレーナーは「過去37戦で一番調子がいい。過去最高の仕上がり。パンチにキレがあって当たったら倒れます」と太鼓判を押した。「当てちゃってすいません」と謝る河野も、仕上がりには絶対的な自信があるようで、「やることはすべてやってきたし、対策もうまくやれると思う。前半に倒れないようにして、後半に競り勝ちます」と言い切った。
「自分だけの戦いじゃないという思いで試合に臨む」
「家族も全面的に協力してくれている」と感謝する河野と公開練習を見学に来た母・久子さん 【スポーツナビ】
「前回の試合で負けたとは思っていない」と語る河野は4度目の世界王座挑戦へ向けて並々ならぬ“想い”がある。
「4回も(世界戦の)チャンスをもらって(渡辺均)会長に感謝していますし、高橋トレーナーもずっと一緒にやっていただいて、再び絶対世界を獲るぞという気持ちです。また自分だけじゃなくて、家族も全面的に協力してくれたので、僕1人でやっているんじゃないなとずっと思っています。自分だけの戦いじゃないという思いで試合に臨みます」
今後のプランとして渡辺会長が「河野が勝って、JBC問題がクリアできたら亀田興毅選手と防衛戦をやってみたい」とファンが喜びそうなドリームマッチを明かした。しかし、周囲に感謝を捧げる河野にとって、まずは世界王者復帰が第一で、「正直デンカオセーンに勝つことしか考えていない」ときっぱり。
再び世界王座へ返り咲く――ボクシングしかやることがないという修行僧のような面構えで、普段は物静かな男の言葉に燃えたぎる闘志が宿っていた。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ