見据えるのはロサンゼルスの2連覇。ゴールボール男子日本代表は負けからスタート
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女子日本代表強化の目的で行われてきたゴールボールのジャパンパラ。今回、初めて男子日本代表の国際親善試合が行われた 【photo by X-1】
翌日の準決勝は<日本A>がオーストラリアに、<日本B>がポーランドにそれぞれ敗れ、日本勢は3位決定戦で顔を合わせることになった。
2つに分かれた日本チームは決勝に進出できず
パリの地で「自分が若手を引っ張る」と語っていた鳥居は、今大会直前に体調を崩して本調子ではなかったものの、「移動攻撃が得意だが、テンポがうまく合わなかったりして、合宿で取り組むところを見つけられた」と収穫と課題を得た様子。ロサンゼルスに向けては「1日1日をどう過ごすか、もう一度詰めていきたい」と気を引き締めた。
次期エース候補筆頭の鳥居は「得点を入れてチームを盛り上げていきたい」 【photo by X-1】
今大会が国際大会初出場。同じポジションであり、日本代表の軸である金子がコートに立てない状況を、自分がアピールをする最大のチャンスとポジティブに捉えていた。
永野はレフトの日本代表争いに挑む 【photo by X-1】
大会を通して安定感に欠けたものの、3位決定戦では高い修正能力で存在感を示し、エース候補に名乗りを上げた。
常に平常心で俯瞰して声をかけられるところが強みだという永野(右) 【photo by X-1】
「金メダルの試合は、感動しながら(映像を)見つつ、『次は自分の番だな』と思った。レフトの金子選手、宮食選手には、『次は、(金子選手か宮食選手が)解説だぞ』と何度も言っていて。解説なのかメンバー入りなのか……次の戦いは始まっている」
永野は充実した表情で語った。
守備の要であるセンターにも若手がいる。今大会では、<日本A>の山本秀幸(2006年生まれ)、<日本B>の行弘敬祐(1999年生まれ)が国際大会デビューを果たした。
18歳の山本は、センターとして国際大会初出場 【photo by X-1】
パリで指揮官を務めた工藤力也ヘッドコーチは、ロサンゼルスで男子日本代表が活躍するカギは若手の成長だと力を込める。
「パリでメダルを獲った6人を強化し続ければ、連覇できるかといえばそうではない。6人が世界のトッププレーヤーとして代表を引っ張り、そこを追い越すような選手が出なければ2連覇はない。若手には世界での経験を積ませていきたいです」
「攻撃的なセンター」として代表入りを目指す行弘。悔しい失点も、宮食(写真右)から「経験だよ」と励まされたという 【photo by X-1】
金メダルを見て決意したベテランも
「今後は、ゴールボールに貢献し、代表を退いた選手の新しい道をつくることができれば」と信澤 【photo by X-1】
「金メダルチームに恥じないプレーを」と準備して臨んだ最後の国際大会。ゴールは遠く、「結果は理想通りにはならなかった」と悔しさをにじませる。それでも「これからの選手たちが(パリ後、)最初の国際大会で『勝ち続ける難しさ』を感じ、ロサンゼルスに向けてスタートできたのは大きい。(最終的にメンバーに選ばれなかった)自分自身は、パリの金メダルを見て悔しさや闘争心よりも『強いチームだな』『本当によかったな』という感想しか湧かなかった。だから、代表としてはもう続けられない」と語り、静かにコートを後にした。
ベテランを称える、金メダリストと若手メンバー 【photo by X-1】
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※本記事はパラサポWEBに2024年11月に掲載されたものです。
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