リナレスvs荒川が本場・ラスベガスで実現=3月のボクシング興行見どころ
33歳の努力家・河野が世界王座返り咲き狙う
昨年5月にリボリオ・ソリスに敗れて世界王座から陥落した河野。再び世界のベルトを腰に巻くことができるか!? 【Getty Images】
ひな祭りの3日には女子のトリプル世界戦が行なわれ、小関桃(青木)、宮尾綾香(大橋)、柴田直子(ワールドスポーツ)の3王者が防衛戦に臨む。本人の思いとは無関係に否が応でも話題を呼びそうなのが、勝利すれば具志堅用高氏の世界王座国内最多連続防衛記録13度に並ぶ小関。KOより大差の完封勝ちが理想というサウスポーは、男子と女子では歴史が違うと冷静なのだが。
1日には村田諒太のデビュー戦で2回TKO負けを喫した柴田明雄(ワタナベ)が復帰する。日本3階級制覇を果たした日本ミドル級王者の中川大資(帝拳)とは再戦になり、柴田の東洋太平洋王座も賭けられる。一昨年6月には柴田が判定で競り勝ったが、発表会見で中川は「並々ならない闘志で調整している」と雪辱への強い気持ちを示した。「今まで以上に気持ちのこもった試合になる」という柴田は村田戦を機に本格的なフィジカル強化に取り組んでおり、「リングに上がったときに(見ている人を肉体の変化で)驚かせたい」とも言っていた。初戦同様、接戦になることが予想されるが、失意の底から這い上がらんとする柴田の心身両面に注目だ。
山中との統一戦狙う岩佐がOPBF初防衛戦
最後に中部のホープを紹介したい。昨年11月、高校3年生でプロ転向し、いきなり世界ランカーと対戦。初回に鮮やかにダウンを奪った末、見事な判定勝利を収めた18歳の田中恒成(畑中)が16日、名古屋国際会議場で今度はWBA世界ミニマム級15位のロネル・フェレラス(フィリピン)とプロ2戦目を戦う。昨年12月にデビューした井上尚弥(大橋)の弟・拓真(大橋)とは同学年で、高校時代は3勝2敗とライバル関係だった。1月には後楽園ホールで行なわれた日本ミニマム級王座決定戦を畑中清詞会長と視察。史上最短記録となる3戦目での日本王座奪取を狙っているのだろう。フェレラスは新王者の大平剛(花形)と同じサウスポーでもある。デビュー戦では新人離れしたハイテンポで完成度の高いボクシングに目を見張らされたが、次は世界ランカーのサウスポー相手にどんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。
※原隆二、田中恒成以外の興行は、いずれも東京・後楽園ホールで開催。