米国での人気回復の救世主として期待〜“タイガーの姪”シャイアン・ウッズ〜
タイガーの姪、数々アマ王座獲得、モデルのような容姿
米国では人気が低迷する米国女子ツアーの救世主として期待される“タイガーの姪”シャイアン・ウッズ 【Getty Images】
おじさん(父の異母弟)は、言わずと知れた、男子ゴルフ界で世界ナンバーワンに君臨するタイガー・ウッズ。シャイアン自身も、ウェイクフォレスト大学時代に数々の大会でアマチュアタイトルを獲得し、プロ転向後は、モデルのような容姿も相まってキャリアを築く前から多くのメディアに登場してきた。
しかし、あくまで“タイガーの姪”という、ゴルフファンなら誰もが関心を寄せる付加要素があってこその露出先行だったことは否めないだろう。自身も、前週の優勝会見で次のように述べていた。
「多くの期待やプレッシャー、スポットライトを浴びる“ウッズ”のラストネームとともに成長してきましたが、プロになってからこの2年間の大部分は、人々は私を“タイガー・ウッズの姪”として見てきたと思う。でも、今週は私自身がプレーをし、試合で優勝できた。とてもエキサイティングなことだわ」
彼女を取り巻く環境や立場を大きく変えたプロ1勝
とりわけ、米国LPGAが抱く期待は大きく膨らんだはずだ。1993年のベッツィー・キング以来20年間もアメリカ人選手が賞金女王の座に就けず、母国での人気はシニアのチャンピオンズツアー以下に低迷。ステーシー・ルイスらの頑張りで、ようやくアジア勢が隆盛を極めてきた近年の情勢に風穴を開けつつある。強力なネームバリューを持つシャイアンが、ツアーで活躍を始めれば、母国での人気回復の救世主になり得る。
しかし、その思惑が叶う可能性はしばらく先となりそうだ。シャイアンは昨年末の米国ツアーQTで上位に入れず、今季はレギュラーツアーの出場資格を保持していない。現在は欧州女子ツアーと並行して米国女子の2部ツアーを主戦場とし、まずはレギュラーツアーに昇格することを目指さなければならない。とはいえ勝利が何よりものスポットライトとなるプロの世界。「1勝」が彼女を取り巻く環境や立場を大きく変えたことは、目に見えて明らかだ。シャイアンを見守るアメリカ人たちの視線は今後一層、熱気を帯びていきそうだ。
<文・塚田達也>
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