【マッチレポート】JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦・3部リーグ第4節

チーム・協会

東京農業大は上位対決を制して首位を奪還 【©東京農業大学農友会サッカー部】

同率首位の國學院大と明治学院大がともに敗れ、首位は再び東京農業大に!中央学院大、平成国際大が今季初勝利で降格圏を脱出

 『JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦』【3部リーグ】第4節は、5月4日(土)に3試合、5日(日)に3試合が行われた。

【©JUFA】

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 明治学院大学と國學院大學がともに無敗の3連勝。同勝点で得失点、総得点も同数と同率首位となっている3部リーグ。どちらが先に抜け出すかが注目されたが、今節は両チームにとって思わぬ展開となった。

 まずは5月4日(土)に明学大が8位・亜細亜大学と対戦。明学大は開始直後の2分、鈴木太智が技ありのシュートを突き刺して先制する。しかしその後は亜大が次第に試合のペースをつかみ、両チーム追加点のないまま0-1で試合を折り返した。スコアが大きく動き始めたのは後半。亜大は後半早々の50分、ヘディングでボールをつなぐと最後は三宅貴志が右足を振り抜いて同点に追いつく。さらに7分後の57分、小野寺迅の右からのクロスに合わせたのはまたもや三宅。三宅のこの日2点目となるゴールで亜大が逆転に成功する。亜大の攻撃は止まらない。5分後の62分、小池莉玖のパスに走り込んできた下間蓮之介が右足シュートを突き刺す。亜大がわずか12分間に3点を奪取して明学大を突き放した。亜大はその後も危なげなくリードを守りきり3-1のままフィニッシュ。明学大は今季初黒星を喫して首位から陥落。2勝目を挙げた亜大は順位をふたつ上げて6位に浮上した。

後半怒涛の攻撃を展開し、首位・明治学院大に2点差をつけて勝利した亜細亜大 【©亜細亜大学体育会サッカー部】


 4日の試合では、未勝利の3チーム、平成国際大学、中央学院大学、共栄大学の3チームの試合も行われた。なかでも未勝利チーム同士の対戦となった共栄大と平国大の試合は、思わぬ大差がつく結果となった。試合は開始直後の3分、共栄大・山崎颯大のロングキックに走り込み、ボールを収めた安倍颯汰がそのままシュート。これが決まり、共栄大が先制点を挙げる。しかし平国大も24分に廣重温人のゴールで同点に追いつくと、その6分後の30分には屋宜和真がゴール前に滑り込みながら押し込んで逆転に成功。さらに前半終了間際の44分にも、GK松村遥人のゴールキックを五十嵐大翔が頭でつないでチャンスを作ると、前線に抜け出した松本琉聖が3点目をマーク。1-3と平国大がリードして前半を終えた。平国大は後半に入っても点を重ね、67分にもコーナーキックの流れから森下巧が4点目を挙げると、終盤の81分にも松本が鮮やかなミドルシュートでこの試合2ゴール目となる5点目を決めて勝負あり。1-5と大差をつけた平国大が初の勝点3を手にして最下位を脱出。一方、直接対決に敗れた共栄大は最下位に後退した。

未勝利チーム同士の対戦は、大量5得点を挙げた平成国際大が今季初勝利 【©平成国際大学サッカー部】


 こちらも未勝利の11位・中院大は、前節初黒星を喫した5位・国際武道大学と対戦。両チーム低調な滑り出しとなったが、39分には樋口翔大が倒されて国武大がペナルティーキックを獲得。しかしキッカー・切石承之介のシュートは中院大GK、佐々木大地がセーブ。弾いたボールを切石が再び押し込もうとするもシュートは枠外に。国武大は絶好の決定機を逸し、そのまま0-0で前半は終了した。スコアが動いたのは後半に入ってからだった。57分、右サイドからペナルティーエリアに切れ込んだ北村大が倒され、今度は中院大がペナルティーキックを獲得。これを北村自身が沈めて中院大が先制する。中院大は71分にも玉置侑が切り返しで相手DFを置き去りにして右足シュート。0-2とリードを広げる。しかし国武大も直後の72分、岡田理央斗技ありのシュートを決めて中院大に1点差に迫るが反撃もここまで。1点差を守った中院大が今季初勝利で11位から9位に浮上。一方、2連敗となった国武大は8位に後退した。

両チーム獲得したペナルティーキックが勝敗を分けた。中院大はGK佐々木大地が国際武道大のシュートを弾く 【©中央学院大学体育会サッカー部】


 5日には首位・國學大と勝点2差の3位・東京農業大学が直接対決。前日の試合で國學大と同率首位の明学大が敗れているため、この試合に勝ったほうが単独首位の座を得ることができる。注目の一戦は30分、まずはホームの東農大が先制。弓氣田葵がボールを奪ってチャンスを作ると、堀井榛人が中條歩とのワンツーで抜け出して放ったシュートがゴール左隅に決まる。しかし國學大も前半終了間際の45+1分、フリーキックの流れから最後は成田翔紀が同点弾。試合を振り出しに戻して前半を終了した。1-1で迎えた後半は開始直後から東農大が動く。46分、堀井がハーフウェーライン付近から放ったロングキックに中條が反応。ボールを収めてペナルティーエリアに侵入すると右足を振り抜いて2点目をマーク。再び東農大がリードを奪う。その後は國學大が怒涛の攻撃で東農大ゴールに迫るが、東農大もこれを死守。最終的には東農大の倍のシュート数を放った國學大だが、追加点を得ることなく試合は2-1のまま終了。明学大に続いて國學大も敗れ、3位の東農大が勝点を10に伸ばして首位に返り咲いた。

東京農業大は堀井榛人、中條歩が互いの得点にも絡む活躍で勝利 【©東京農業大学農友会サッカー部】


 前節、待望の初勝利を挙げた9位・東京経済大学は初戦以来白星のない7位・作新学院大学をホームに迎えて対戦。ともに1勝2敗、勝点3同士の直接対決は作新大がチャンスを確実に決めて得点を重ねた。まずは25分、作新大は押久保弘人が右サイドを突破してクロスを上げると、井出蓮がヘディングでパス。これをペナルティーエリアのすぐ外で受けた藤川壮史が豪快なミドルシュートを叩き込んで作新大が先制する。後半に入ると1点を追う東経大が何度となくチャンスを作るが、どうしてもゴールを割ることができない。すると試合終盤の88分、作新大はフリーキックの流れから高橋昴がシュートを突き刺して追加点。さらに90+3分、ペナルティーエリア付近で相手からボールを奪った林廉斗が、そのままシュートを流し込んで勝負あり。作新大が0-3で勝利し、順位を2つ上げた。

作新学院大は今季最多となる3ゴールを挙げて2勝目をマーク 【作新学院大学体育会サッカー部】


 6位の専修大学は現在2連勝中と好調な4位・青山学院大学と対戦。試合はどちらもなかなかシュートまでもちこめない低調な展開に。スコアレスで前半を終えると、専大は後半頭からルーキーの佐藤漣を投入。試合の流れを変えようとするが攻めあぐね、ゴールを決めきれない。対する青学大も70分前後に4人の選手を次々と投入するが、後半放ったシュートはわずか1本に留まるなど苦戦。両チーム無得点のまま試合はアディショナルタイムに突入。スコアレスドローで終わるかと思われたが、最終盤の90+7分にようやくスコアが動いた。専大はスローインからチャンスを作ると、ゴール前に上がっていた一丸大地が倒されてペナルティーキックを獲得。これを一丸自身がど真ん中に決めて専大が先制。結局、このゴールが決勝点となり試合は1-0で終了。土壇場のゴールで2勝目を挙げた専大が、勝点を7に伸ばして4位に浮上した。

専修大が2勝目を挙げ4位に浮上。首位を1ゲーム差に捉えた 【©専修大学体育会サッカー部】



 前節に首位から陥落した東京農業大学が、首位の國學院大學との対決を制して再び首位に復活した。國學大と同率首位の明治学院大学は亜細亜大学に敗れてこちらも3位に後退。しかし、首位・東農大と2位・國學大、3位・明学大の勝点差はわずかに1。3部リーグ首位戦線は接戦が続きそうだ。また、中央学院大学と平成国際大学がそろって初勝利を挙げ、未勝利チームは最下位の共栄大学1チームに。次節でなんとか巻き返しを図りたいところだ。

 次節・第5節は2週間後の5月18日(土)に4試合、19日(日)に2試合が行われる。



※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。

(文・飯嶋玲子)
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著者プロフィール

一般財団法人関東大学サッカー連盟は、関東地域における大学サッカーの水準向上と普及、加盟チーム相互の親睦共励、そして広く社会に貢献できる学生を育成することを目的に、1924年に創設されました。主要大会のひとつである『関東大学サッカーリーグ戦』では関東7地域から36大学が参加し、1部~3部のカテゴリーで熱戦を繰り広げています。近年は日本代表にも多くの選手を輩出するなど、通年でレベルの高い試合を展開しています。また主管大会として、大学の日本一を決める『全日本大学サッカー選手権大会』(インカレ)などの全国大会も実施しています。

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