ダルビッシュ3年目は21勝でサイ・ヤング賞!? 米メディアが太鼓判を押すワケ

内野ムネハル

さらに進化するための3つの鍵

米スポーツ専門メディアは今季の各部門タイトルホルダーを予想。ダルビッシュへの高い期待を力強く論じた 【写真は共同】

 米スポーツ専門メディア『ブリーチャー・レポート』に2月11日、「日本の怪物ユウ・ダルビッシュがまだピークでない理由」と題した特集記事が掲載された。

「ダルビッシュは、既に素晴らしい投手だ。本当に素晴らしい。間違いなく現役最高の投手の一人だ。でも、私が真剣な顔でこう言わせてもらおう。ダルビッシュは、もっと良い投手になる。信じてくれ」

 記事では、ダルビッシュの過去2年の投球内容が徹底分析されており、さらに良い投手になるであろう根拠としていくつかのデータが紹介されている。
 たとえば、2年連続でメジャー平均を下回っている「初球ストライク率」。ダルビッシュは過去2年、初球をボールで入った場合とストライクで入った場合で、その打席の成績に大きく差がついており、初球ストライク率を上げることでさらなる好成績を残せることが指摘されている。

初球ボール時の成績(699打席):奪三振率22.9%、四球率18.3%、被OPS7割4分6厘
初球ストライク時の成績(814打席):奪三振率41.5%、四球率5.0%、被OPS4割8分6厘
※データは12年、13年シーズンの合計

 初球ストライク率の改善に加え、「左打者にもっとカーブを使う」「シンカー(ツーシーム)をもっと活用する」ことも効果的であると、記事ではデータとともに掲載した。もちろん、データはデータであって、その通りうまくいくとは限らない。しかし、今の時期にこうした分析記事が出ていることに、期待値の高さがうかがえる。

「打線の得点力アップで20勝投手に」

『ブリーチャー・レポート』はまた、2月7日に今季の各部門タイトルホルダーを予想する記事を掲載。その記事のトップ写真を飾ったダルビッシュはズバリ「21勝を挙げて最多勝、さらにアメリカン・リーグのサイ・ヤング賞も受賞」と予想された。
 昨年はランサポート(味方打線が9回あたり平均何得点してくれたかを示す数字)に恵まれず13勝に止まったが、レンジャーズには今季、プリンス・フィルダーと秋信守が加入。「レンジャーズ打線の得点力アップがダルビッシュを20勝投手にするだろう」と力強く論じられている。純粋な予想というよりは期待値も込めてという論調だが、とはいえこれくらいの数字を残しても全くおかしくはないと見られているのだ。

 思えばダルビッシュは、NPBでも3年目の07年に大ブレーク(15勝5敗・防御率1.82)し、自身初の沢村賞を受賞している。メジャー3年目の14年、ついに日本人初のサイ・ヤング賞投手が誕生するかもしれない。

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著者プロフィール

1986年生まれ。2012年よりメジャーリーグを中心に取材し、各種媒体にコラムやエッセイを寄稿。今年3月より『ダ・ヴィンチNEWS』にて、東京のカープファンを題材にした連載小説「鯉心(こいごころ)」(http://ddnavi.com/news/232480/)を執筆中。

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