ダルビッシュ3年目は21勝でサイ・ヤング賞!? 米メディアが太鼓判を押すワケ

内野ムネハル

12年サイ・ヤング賞投手も認める今季のダルビッシュ

3年目のキャンプが始まったダルビッシュ。米国では非常に高い評価を集めている(写真は現地16日) 【写真は共同】

「君とユウ・ダルビッシュ、(ファンタジーベースボールで)どちらを取るべきかな?」

 2012年にアメリカン・リーグのサイ・ヤング賞を獲得したタンパベイ・レイズのエース、デービッド・プライスは先日、ツイッターでファンからこんな質問を受けた。

 ファンタジーベースボールとは、米国で延べ約400万人が参加しているとも言われるオンラインゲーム。プレイヤー数名〜十数名が集まって架空のリーグを作り、各参加者が架空のチームのGM(ゼネラルマネージャー)となってシーズンを戦うシミュレーションゲームである。

 ゲームでは、実際のMLB選手たちの成績が毎日反映され、それをポイント化して競う。シーズン開幕前にはオンラインで“ドラフト会議”が行われ、参加者たちは欲しい選手を順々に指名して自分のチームを作り上げる。

 プライスにツイッターで質問したファンは、このドラフト会議でエース格の先発投手として誰を指名するべきか悩んでいたのだろう。プライスは、ちゃめっ気たっぷりに正直な意見を返した。

「ユウ(ダルビッシュ)だよ……彼は今年498個の三振を奪うんだ!」

先発投手格付けで堂々のリーグ1位

 498奪三振は流石にジョークだが、プライスの意見に同意する声が米国でもマジョリティー(多数派)のようだ。

 毎年2月上旬ごろになると、米国では各スポーツメディアで「ファンタジーベースボールのプレイヤーランキング」なるものが発表される。これは新シーズンの開幕を控え、MLBのほぼ全選手をポジション別、かつ全体でランク付けしたもので、ファンタジーベースボール参加者がドラフト戦略を立てる上で参考にするものである。いわばMLB全選手の格付けだ。

 米『ヤフー!スポーツ』では既に、記者33名の分析に基づいたランキングが掲載されている。先発投手ランキングの上位5人の顔触れは、以下のようになっている。

1位:クレイトン・カーショー(ロサンゼルス・ドジャース)
2位:ダルビッシュ有(テキサス・レンジャーズ)
3位:アダム・ウェインライト(セントルイス・カージナルス)
4位:フェリックス・ヘルナンデス(シアトル・マリナーズ)
5位:スティーブン・ストラスバーグ(ワシントン・ナショナルズ)

 過去3年で2度のサイ・ヤング賞を受賞し、昨年は05年のロジャー・クレメンス(当時ヒューストン・アストロズ)以来の防御率1点台を叩き出したドジャースのカーショーが、満場一致でトップ。カーショーに次ぐ2位がダルビッシュだ。アメリカン・リーグの投手に限れば、ダルビッシュはヘルナンデスやプライス、あるいはジャスティン・バーランダー(デトロイト・タイガース)といった実績ある他球団のエースたちを押しのけ堂々の1番人気である。

 MLB公式サイトが発表した今シーズンのプレイヤープレビューでも「1位カーショー、2位ダルビッシュ」は変わらず。ちなみに他の日本人先発投手の順位は、22位に田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)、28位に岩隈久志(マリナーズ)、43位に黒田博樹(ヤンキース)、そして206位に松坂大輔(ニューヨーク・メッツ)が入っている(ランキングの対象となっている先発投手は計217名)。

 昨年のサイ・ヤング賞投票でそれぞれ2位、3位だったダルビッシュと岩隈が、今季のランキングでそれぞれ2位、28位と大きく差がついているのは期待値の違いだ。4月に33歳となる岩隈に対し、27歳のダルビッシュはメジャー3年目の今季、さらなる進化が期待されている。

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著者プロフィール

1986年生まれ。2012年よりメジャーリーグを中心に取材し、各種媒体にコラムやエッセイを寄稿。今年3月より『ダ・ヴィンチNEWS』にて、東京のカープファンを題材にした連載小説「鯉心(こいごころ)」(http://ddnavi.com/news/232480/)を執筆中。

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