女子版レジェンド、金メダルコレクター……要チェック!世界のスゴイ強豪たち
沙羅のライバルに名乗り “女子版レジェンド”イラシュコ
高梨沙羅(左)のライバルとして名乗りを上げたイラシュコ(中央)。1月末のW杯プラニツァ大会で沙羅を破っている(右はドイツのフォクト) 【Getty Images】
イラシュコは女子ジャンプ初の国際ツアーだった1999年のレディスグランドツアーにも15歳で出場して総合3位になり、その後は総合3連覇。2003年も1試合の欠場がなければ総合優勝を果たしていた実力者だ。サッカーでもオーストリアのFCヴァッカー・インスブルックのゴールキーパーとして所属している。
11年世界選手権(ノルウェー・オスロ)では濃い霧でスタート位置からはカンテ(踏み切り位置)が見えないような悪条件の中で優勝し、経験値の高さを見せつけている。長い間に積み上げた実績もあり、悪条件になったらとんでもない強さを発揮してきそうな選手だ。
男子ジャンプ、“怪物”超えの24歳シュリーレンツァウアー
男子ジャンプのシュリーレンツァウアー。五輪ではまだ手にしていない個人金メダルを狙う 【Getty Images】
五輪は前回のバンクーバー大会が初出場で、金メダルはラージヒル団体のみ。個人2戦はともに銅メダルだった。07年から4大会連続で出場している世界選手権も金メダル6のうち5個は団体で、個人は金1(11年オスロ/ラージヒル)、銀2(09年リベレツ/ノーマルヒル、11年ヴァルディフィエンメ/ノーマルヒル)。さらに今季のW杯では序盤の2勝のみで総合ランキングも2月3日時点では4位に甘んじているが、第2戦のクーサモでは1本目15位から2本目に完璧なジャンプで逆転優勝するという、すさまじい勝ち方を見せている。ここしばらくはおとなし目だが、そろそろ本領発揮となってもいい頃だ。
さらにこのジャンプには、“レジェンド・葛西紀明”に引けをとらない、五輪2大会2冠のシモン・アマン(スイス)もいる。快挙をなし遂げたのは02年ソルトレークシティー五輪と2大会後の前回バンクーバー五輪。そのサイクルでいくと今回はお休みと思われ、W杯序盤戦もそれほど調子は良くなかった。だが昨年末のジャンプ週間開幕戦のオーベルストドルフ(ドイツ)で32歳6カ月の勝利を挙げると、その後の2戦も表彰台に上がり、4試合の得点合計で競うジャンプ週間総合3位と一気に調子を上げてきたのだ。
前回のバンクーバーでは、それまで外側に開いていたスキーの下面を、地面と平行に近くして浮力を得るためにビンディングの金具を曲げて付けるという工夫をしてきたように、道具の研究も熱心な選手。他の選手たちが、「今回も驚くような秘策を持ってくるかもしれない」と警戒するベテランだ。