女子版レジェンド、金メダルコレクター……要チェック!世界のスゴイ強豪たち

折山淑美

世界が注目!クロカンの“金メダルコレクター”ビョルゲン

ソチ五輪で世界が最も注目する選手。クロスカントリーの女王マリット・ビョルゲン 【Getty Images】

 今大会で世界が最も注目する選手は、クロスカントリースキーの女王マリット・ビョルゲン(ノルウェー)だろう。
 クロスカントリーはヨーロッパでは最も人気のある競技。彼女は前回のバンクーバー五輪では、スプリントと15キロパシュート、4×5キロリレーで金メダルを獲得。クロスカントリー女子の1大会最多金メダル記録に並ぶだけではなく10キロフリーでは3位、30キロクラシカルでは2位になり、全6種目中出場した5種目のすべてでメダルを獲得するという快挙を成し遂げたのだ。

 その後も11年世界選手権(ノルウェー・オスロ)ではスプリントと15キロパシュート、10キロクラシカル、4×5キロリレーで優勝し、30キロフリーでは2位と出場全種目でメダルを獲得。昨年の世界選手権(イタリア・ヴァルディフィエンメ)でもスプリントとスキーアスロン、30キロクラシカル、4×5キロリレーで優勝し、10キロフリーでは2位と、メダルコレクター状態になっている。

 試合会場では常に盛大な歓声で迎えられる彼女。今季もワールドカップ(W杯)では、11月29日からのクーサモ(フィンランド)では10キロパシュートと3種目総合で優勝し、続く12月7日、8日のリレハンメル(ノルウェー)ではリレーで優勝。さらにダボス(スイス)では15キロフリーとスプリントで優勝し、オーバーホーフ(ドイツ)でも3キロフリープロローグで優勝。シーズン序盤で6勝と2位1回、3位2回という成績を上げている。

 その後は12月31日でW杯出場をやめ、1月は16日のノルウェー選手権10キロクラシカルに出場して3位になったのみで、しっかりと五輪に照準を合わせている。今回も開会式翌日のスキーアスロンで金メダル獲得となれば、勢いに乗ってメダル量産という快挙を再現しそうだ。

スピードスケートは韓国旋風が再来!?

 一方スピードスケートでは、前回のバンクーバー五輪で一気にブレークした韓国勢が注目だ。
 中でも女子500メートルを制した李相花は今季、W杯開幕戦のカルガリーと次のソルトレークシティーでは、自身が昨季出していた世界記録を3回連続で更新して36秒36に伸ばした。さらに8レース中7レースに出場して全勝と、飛び抜けた強さを見せつけている。男子でも500メートルでは、ノーマークだったバンクーバー五輪で優勝をさらった牟太ボムも好調で、2大会連続の男女アベック優勝なるか。

 またバンクーバー五輪では大会直前にショートトラックで代表落ちしたためにスピードスケートに戻り1万メートルで優勝。5000メートルでも2位になったシンデレラボーイの李承勲も、今季はW杯5000メートル総合2位とトップを狙える位置にいる。

 男子1000メートルではシャーニー・デービス(米国)が3連覇を狙う。06年トリノ五輪では、黒人選手初の冬季五輪金メダリストとなり、続くバンクーバー五輪で連覇を達成した。今季は同種目W杯ランキング2位(2月3日時点)につけている。なお、1500メートルのランキングは3位。2大会連続銀メダルで2冠獲得を逃していたが、3度目の正直で達成できるか。

 また男子スノーボードハーフパイプでは、ショーン・ホワイト(米国)が3連覇達成を懸けて臨む。さらに男子アイスホッケーも、ソ連とEUN(旧ソ連構成諸国連合チーム)時代に8度優勝しているロシアが、長年のライバルであるカナダや米国を撃破し、初めてロシアの名前を刻めるかが注目だ。

<了>

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著者プロフィール

1953年1月26日長野県生まれ。神奈川大学工学部卒業後、『週刊プレイボーイ』『月刊プレイボーイ』『Number』『Sportiva』ほかで活躍中の「アマチュアスポーツ」専門ライター。著書『誰よりも遠くへ―原田雅彦と男達の熱き闘い―』(集英社)『高橋尚子 金メダルへの絆』(構成/日本文芸社)『船木和喜をK点まで運んだ3つの風』(学習研究社)『眠らないウサギ―井上康生の柔道一直線!』(創美社)『末続慎吾×高野進--栄光への助走 日本人でも世界と戦える! 』(集英社)『泳げ!北島ッ 金メダルまでの軌跡』(太田出版)ほか多数。

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