姉&弟のアイスダンス日本代表リード組 ケガ乗り越え、五輪へ「100%集中!」
アイスダンス日本代表リード姉弟組。笑顔の耐えない二人は、インタビューでも息ぴったり!? 【坂本清】
日本語をしっかり理解している二人は、基本的に日本語で、少し入り組んだ内容の時には英語を交えながら、和やかにインタビューに応えてくれた。
クリスのケガ…「強い気持ちで」手に入れた五輪切符
姉のキャシー。五輪へ向けて「本当に強い気持ちでいる」 【スポーツナビ】
―――ソチ五輪は2度目の五輪になります。4年前のバンクーバー五輪と今回のソチ五輪には、どういった違いを感じますか?
キャシー「はい、2つとも全然違います。バンクーバーは初めての五輪。私たちは若くて、(五輪出場という)経験に感動しすぎ、楽しむことに精いっぱいでした。でもソチは、自分たちで枠を手に入れたという感覚が強いです。本当に強い気持ちでいるし、100パーセント集中しています。バンクーバーの時より(演技も人間としても)成熟してきていますし。
クリスの膝が悪いのは分かっていましたけど、私はポジティブでいようと心掛けました。(ネーベルホルン杯の)フリーダンスのサーキュラーステップが終わったところで、クリスが『痛い、痛い』って言ったんです。私は(演技をしながら)『クリス、がんば、がんば、できるよ、できるよ』って言って。
(そうした状況で五輪枠を手にしたので)フリーダンスのあとは嬉しくて泣きましたね。バンクーバー前の世界選手権で枠を取ったときには全然泣かなかったのに」
クリス「ネーベルホルン杯は、本当に緊張した難しい試合でした。(絶対に枠を取らなくてはという)プレッシャーも大きかったです。キャシーにはいつもなんでも話していますが、あのときは本当のことは言えなかった。(動揺させないように、実際の状態よりも軽い故障だと伝えるのは)難しくもありました。(大会を終えて)僕も、母たちもみんな一緒に泣きました」
―――その後、膝の具合はどうですか?
クリス「大丈夫です。少しだけ痛いですが、以前よりも痛みとどう付き合っていけばいいか、分かるようになってきました」
五輪切符を決めたネーベルホルン杯。膝の痛みに、思わずうずくまるクリス(右)といたわるキャシー 【写真は共同】
クリス「(昨年4月の)国別対抗戦のとき、無良(崇人)くんのフリーを見て、良いなって思ったんだよね」
キャシー「そう。それで、その曲をインターネットで探しました。それが、フリーダンスの『Shogun』です。クリスが将軍になっていくストーリーで、プログラムの最初はまだ将軍ではないんだけど、将軍になる過程で、私たちがお互いに助け合うんです」
クリス「キャシーは、お姫様」
キャシー「そう、お姫様。将軍の奥さんかな、友達かな。彼はたくさんの戦いの中でけがをするんです。それがスローパート部分。私がけがの手当てをして、元気になった彼はもう1回戦って、そして将軍になる」
クリス「で、終わりー!(笑)」
キャシー「ショートダンスは、五輪シーズンだから、自分たちが好きでみんなも知っている曲がいいなと思って、私たちに合っていると感じた『踊るリッツの夜(Puttin’ On the Ritz)』に決めました。この曲にはたくさんのバージョンがあるんですが、歌手の歌声の入ったものにしました。彼の声、すごく好きです。それにプログラムの途中に、歌なしの曲『ハーレム・ノクターン』を入れることで、歌詞があるパート、ないパート、もう一度歌詞があるパート、っていう良いバランスになっています」