ラドワンスカ、4強入り引き寄せた集中力=全豪オープンテニス

WOWOW

百戦錬磨のナダル、タイブレークで強さ見せる

男子では、ナダル(写真)が手のひらの痛みをこらえてディミトロフを退けた 【Getty Images】

 男子準々決勝は、早くも決勝を思わせる顔合わせになった。

 ラファエル・ナダル(スペイン)に挑戦した期待の新鋭、22歳のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)のプレーに、観客は沸いた。第1セットのファーストサーブは平均時速201キロ。フォアハンドの破壊力に加えて、予想されたナダルのバックサイド攻撃も、片手打ちバックハンドからの多彩なショットでかわし、一気に反撃に転じた。このセットで最初のナダルのサーブをブレークすると、完璧な攻守で先行する。この日は風が強く、利き腕である左の手のひらを痛めているナダルにとっては苦しいサーブが続いた。ナダルは第2セットで先にブレークするが、2本のダブルフォールトですぐ追いつかれた。そのまま両者譲らず、タイブレークへ。

 しかし、百戦錬磨のナダルは、タイブレークでの試合運びで勝っていた。ディミトロフが序盤につまづいた隙を見逃さず、ナダルがセットオールとする。続く第3セットもタイブレークにもつれ込んだ。ミニブレークが3本ずつと混乱したが、荒れた試合運びには経験がものを言う。ここでナダルがポイントを奪って、流れを決定的にした。結局、6−3、6(3)−7(7)、6(7)−7(9)、2−6でディミトロフが敗れた。

 ディミトロフは「ベビー・フェデラー」の異名で早くから注目されてきた選手。ナダルには敗れたが、錦織圭(日清食品)とともに、ついにひのき舞台に飛び出したと言っていいだろう。

大物対決はフェデラーが制す

 男子のもう1カード、第6シードのロジャー・フェデラー(スイス)と第4シードのアンディ・マレー(英国)の大物対決は、フェデラーが制した。
 フェデラーは2セットを先行してから手こずった。第3セットで5−4からのサービスゲームをブレークされ、タイブレークに入ってからも、マッチポイントを握りながら逆転されてセットを落とすなど、危ない場面もあった。しかし、第4セットは6−3と危なげなく奪い、マレーを退けた。

 4セットで54本というウィナーに込められたフェデラーの自信は、今シーズンから大きめのラケットに替え、元世界ランキングトップのステファン・エドバーグをチームに加えた効果と言えそうだ。一方、敗れはしたマレーだが、昨秋受けた腰の手術からの順調な回復をうかがわせる熱戦を繰り広げた。
 フェデラーは1日空けて、準決勝でナダルと対戦する。

<了>

(文・武田薫)

2/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント