スターダム3周年に1期生が想うこと=世IV虎&岩谷麻優「将来2人で王座戦を」

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岩谷は褒めれば伸びる子

昔から憧れていたドラゴンゲートの選手のような空中殺法の使い手になりたいという岩谷。高い身体能力とプロレスセンスはスターダムでも随一。 【前島康人】

――この3年間でデビューする前に思い描いていた理想のプロレスラーに向けて順調に成長していますか?

岩谷 いやぁ妄想からは大分かけ離れていますけど……(不安げに世IV虎を見ながら)着実に自分の目標には少しずつ行けているんじゃないかとは思っているんですけど……。

世IV虎 岩谷の理想は、ドラゴンゲートの選手ですよね。飛んだり跳ねたり。ロープにぽんぽんと乗ってすごい技を連発したり。男子の選手たちは簡単にやっていますけど、あれは実際ロープに乗るだけでも怖いですし。岩谷とかも最近その目標に近づいてきているとは思いますね。

岩谷 世IV虎もロープにぽんぽんって乗ると褒めてくれるんですよ。「すごいねぇー」って(満面の笑み)。

世IV虎 この子は褒められると伸びる子なんで(笑)。

――世IV虎選手はどうですか?

世IV虎 恥かしいんですけど、デビュー前の理想は風香さんだったんですよ。すごいふりふりのコスチュームを着て、くるくるした技をやって、みんなのアイドルみたいな感じをしたかったんですけど……。デビューしたら理想もくそもないですよね。金のつなぎ着て、「私、ヒールじゃん」みたいな。最初は「ヤンキーキャラじゃないし」とか言っていたんですけど、風香さんには見抜かれていて。

岩谷 最初は世IV虎っていうリングネームも嫌がってたんですよ。もっと可愛いリングネームがいいとか言って(笑)。

世IV虎 でも、デビューしたら、これで良かったですね。アイドルとか無理でしたね。根が無理なんだって。相手の顔を蹴ったり、殴ったりするのが楽しくて。リングの上は無法地帯じゃないですか。(力強い口調で)ヒールが天職ですね。

スターダムはフレッシュでいろいろ可能性がある

度胸満点のファイトスタイルとヤンキースタイルでキャラを確立している世IV虎。「女子プロレス=世IV虎になりたい」と夢を語る 【前島康人】

――1月26日に3周年記念大会を迎えます。どのような気持ちで臨みますか?

岩谷 スターダムの旗揚げのメンバーなので、最初から今までを全部知っているので。ほかの3期生、4期生とかよりは全然気持ちが違うと思うし、一番目立ってやりたいですね。あと私は豊田真奈美さんと組んで6人タッグで試合をするんですけど、大先輩である豊田さんからいろいろ勉強したいですね。

世IV虎 旗揚げメンバーは2人になっちゃったんですけど、今残っているメンバーは大事なメンバーですし、このメンバーで3周年を迎えられることはいいことだなって思います。自分のカードは4期生の彩羽匠とシングルでやるんですけど、自分が1期生の新人王で、向こうは4期生の新人王で新人王対決になるんですが、この3周年大会は1期生みんなの思いを背負っているので、4期生には負けてられないし、この3周年大会で1期生の思いを見せられたらいいなって自分は思います。

岩谷 うん、世IV虎、いいこと言っているよ。

――お二方ともまだデビュー3年ですが、団体としてスターダムをこうしていきたいなど考えていることはありますか?

世IV虎 やっぱり考えますね。自分はスターダムだけではなくて、女子プロレスを引っ張ると言っていますから。女子プロレスと言ったら、世IV虎みたいな存在になりたくて。やっぱりそういう存在になるのは今見てくれるお客さんはもちろんですけど、見たことがない女性の方とか子どもとかに、もっとプロレスを見てもらいたいので、いろいろな場所でできたらいいなと思うし、メディアにももっと出てプロレスをアピールしたいですね。自分たちもでかい会場でやったほうが気持ちいいので、もっとでかい会場でできたらいいですよね。

岩谷 世IV虎の言っていることは以下同文なんですけど、プラスして、昨年4月に両国大会をやったときに初めてスターダムを見に来るお客さんが多かったんですよ。やっぱりでかい会場でやると、プロレス見たことがない人だったり、昔好きだったけど今は見ていないというお客さんが来てくれるので、今年は地道に後楽園を積み重ねてやっていって、来年は年に2回ぐらい両国でやって、スターダムを見に来たことがない人たちにたくさん見に来てもらいたいですね。
 両国で試合を見てもらって、スターダムって面白いな、後楽園も見に行ってみようかなという人をどんどん増やしていきたいです。スターダムはフレッシュな選手が多くて、いろいろな可能性がある団体と思うので。

ヒールと言えば世IV虎と言われる存在になりたい

「いつか1期生同士のタイトルマッチをやりたい」と語る2人。厳しい練習をこなして、いつか大舞台で夢をかなえる 【スポーツナビ】

――スターダムを盛り上げて行くために自分がしなければいけない役割とは何ですか?

世IV虎 私って見るからに悪いやつじゃないですか、どっからどう見ても。ほかのビジュアルがいいやつとか、胸がでかいやつとかをいじめて、いじめて何ぼだと思うんですよ。そっちのほうがお客さんも盛り上がると思うし、見てていじめられている選手をお客さんも応援したくなると思うし。今、ヒールが少ないんですけど、ブル中野さんとか、ダンプ松本さんとか伝統に残るヒールになることが自分の役割だと思います。

――岩谷選手はどうですか?

岩谷 うーん、何だろう。(世IV虎を見て)何だと思う?

世IV虎 岩谷は空中殺法をすごく使えるし、プロレスセンスがすごいので、練習すればすごいできるやつだと思うんですけど。女子で空中殺法をくるくるやっている人たちがいないので、空中殺法がすごい人=岩谷麻優というのができあがればいいですよね。

岩谷 麻優、くるくるします!

――逆に岩谷選手から世IV虎選手へ何かありますか?

岩谷 世IV虎っていうキャラクターが出来上がっているんですよ、まぁ素なんですけど。他団体で世IV虎の試合を見ていると、世IV虎が出てくるだけでお客さんがわーって沸くんですよ。それで、ツイッターで世IV虎って検索すると、いっぱい出てくるんですよね(世IV虎がびっくりした表情で「お前、そんなことしてたのかよ」と突っ込む)。これだけの人が世IV虎のことが心に残ってるんだなって。だからすごいなって思いますね。今も他団体に出てるんですけど、もっともっと他団体にたくさん出てもらって、世IV虎おもしれーじゃんって思ってもらって、そのお客さんたちをスターダムに引っ張ってきてもらいたいですね。

――今後、プロレスラーとしての目標は何ですか?

岩谷 今、後輩が増えてきたんですけど、今何にも教えてあげられていないんですよ。いつか自分が後輩に何かを教えて上げられる選手になりたいし、そうなるためにも自分が今先輩たちに教えていただいたことを自分がちゃんとできるようになってからじゃないと教えられないので、基礎を固めて、それでもって派手な技をしたいので、体力づくりもして、コーナーも軽々ぽんぽんのぼれるような選手になりたいですね。何年か後には岩谷麻優がスターダムのトップになりたいです。いつか、世IV虎とタイトルマッチをしたいですね。

――1期生としての責任感が出てきた感じですね。

世IV虎 まだ自分たちも教わることはいっぱいありますけど、同じことを何回も言われている暇はないので。1回教わったことはしっかり1回で覚えて、それを下の子に伝えていく役割なので。上の人がいつまでもいるわけじゃないので、どんどん下の子たちを育てていかなければいけないと思っています。

――最後、世IV虎選手の目標で締めて下さい。

世IV虎 スターダムってフレッシュで一致団結していて本当にいい団体だと思うので、たくさんの人に見に来てほしいです。そのためにも自分が女子プロレスのトップに立つためにも、そのためにベルトを巻かなければいけないので、赤いベルト(ワールド・オブ・スターダム王座)に自分は今絡んでないですけど、今年は赤いベルトを本気で狙っていきます。
 赤いベルトを自分で巻いて女子プロレスを引っ張っていって、2年後も3年後も自分が女子プロレスのトップで突っ走ってて、麻優と1期生で赤いベルトのタイトルマッチをやれたらいいですね。スターダムがもっとでかい箱、日本武道館? 東京ドーム? どこまでも大きくなっていろいろな場所に進出したいです。そこんとこ、世露IV苦!
■スターダム「3周年記念日」
1月26日(日)東京・後楽園ホール 試合開始6:00

<ワールド・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負>
[王者]紫雷イオ
[挑戦者]夏樹☆たいよう
※5度目の防衛戦

<ワンダー・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負>
[王者]安川惡斗
[挑戦者]宝城カイリ
※2度目の防衛戦

<ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負>
[王者チーム]高橋奈苗、脇澤美穂
[挑戦者チーム]木村響子、アルファ・フィーメル
※2度目の防衛戦

<彩羽匠試練の10番勝負第4戦 15分1本勝負>
彩羽匠
世IV虎
※彩羽匠、これまでは3戦1勝2敗

<6人タッグマッチ 20分1本勝負>
豊田真奈美、松本浩代、岩谷麻優
米山香織、夕陽、ケリー・スケーター

<ルーキー・オブ・スターダム 15分1本勝負>
コグマ
愛星ゆうな

<文・竹内英之>

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