“一貫性”欠く香川に向けられる懐疑の目=いまだ本領発揮できず、厳しい評価が続く
プレミアではゴールもアシストもなし
プレミアではゴールもアシストもなし。いまだ本領発揮できず、徐々に懐疑の目が向けられるようになってきている 【Getty Images】
『マンチェスター・イブニング・ニュース』は、ルーニーとファン・ペルシーを欠くと攻撃力が大幅に低下するチームを批判し、香川についてこう言及した。
「ユナイテッドのファンは、ドルトムント時代の“魔法”について多くの話を聞かされている。しかし、今季はレアル・ソシエダ戦とレバークーゼン戦を除き、定期的にそれは見られないままだ」
また、同紙は2−2で引き分けた12月1日のトッテナム戦後にこうも書いている。
「ユナイテッドの勝敗に関わらず、モイズはいつも、香川を外した後は記者の質問をうまくかわしている。だが、また矛盾したパフォーマンスを見せたことで、日本代表MFは監督から無視される理由の一端を示してしまった。ポジションを保つためには、定期的に最高のフォームを見せなければいけない」
また、シーズン半分を終えた時点で『インデペンデント』が付けたレーティングでは、「ユナイテッドのファンは彼を見たくてたまらないが、ルーニーが好調でモイズは彼のスタメンを用意できるのか? 彼は今季、プレミアで得点もアシストもできていない」と寸評。10点満点の5点は、不振のチームで同じく真価を発揮できていないマルワヌ・フェライニやダニー・ウェルベック(5点)、アシュリー・ヤングやトム・クレヴァリー(4点)らとともに“及第点以下”の低評価だ。
残された時間はそう多くはない
1月の移籍市場オープンに合わせ、不振に苦しむユナイテッドには多くの補強のうわさが出ている。ゴシップ報道の信ぴょう性はさておき、移籍報道は選手やチームが客観的にどう見られているかという“鏡”でもある。「ユナイテッドにはクリエーティブなMFが必要」という意見や報道が多いが、これは中盤のメンバーが攻撃面で結果を出せていないという意味に他ならない。特に、ファーガソンが「クリエーティブ」なオプションとして白羽の矢を立てたはずの香川にとっては「期待に応えていない」と言われているようなもの。屈辱と言ってもいいだろう。
2年目の香川に対しては、それだけファンや現地メディアが課すハードルが上がっている。ファーガソンは勇退に際し、「2年目のシンジはもっとやれる」と太鼓判を押した。イングランドの人々は名将の言葉を信じているが、徐々にその目は「期待」から「懐疑」に変わってきている。
ファーガソンの目利きが正しかったことを証明するために、残された時間はそう多くはない。
<了>