“邪道”大仁田厚が年越し３連闘を敢行。年間４度の電流爆破デスマッチに全勝を収めた２０１３年を駆け抜け、除夜の鐘の余韻が残る中、デビュー満４０周年となる２０１４年のスタートダッシュを切った。

　大仁田は大晦日の昼から元日にかけて、いずれも東京・新木場１ｓｔＲＩＮＧで開催された３興行に参戦。まず、「世界プロレス協会」旗揚げ戦（２０１３年１２月３１日１３時試合開始）で、同団体を設立した愛弟子ミス・モンゴルの要請に応え、リッキー・フジ＆保坂秀樹を加えたＦＭＷ・ＯＢ＆ＯＧカルテットを結成。唯一の女子選手であるモンゴルが相手チームの集中攻撃ながらも、大仁田らの援護を受けて懸命に反撃し、合体サンダーファイヤーパワーボムを決めた元ＦＭＷ軍が“家族”の絆で逆転勝利を得た。

「モンゴルを全員で、全員で、全員で応援してやってくれ！」と観客に呼びかけ、「おい、モンゴル！　命かけろ！　絶対、絶対、絶対！　（世界プロレス協会を）続けろよ！」とエールを送った大仁田が、「ＦＭＷだって、５人から始まったんだ。苦しいし、不安だし、押し潰されそうになるよ。だけど、一人一人のファンがわかってくれれば。ボクはインディーが大好きです。そのリングの中に夢をかける人がいるかぎり、ボクは応援したい」とモンゴルに“親心”を示した。

　続くＣＰＥの年末特別興行（１９時試合開始）では、その“父娘”が大仁田にとって初の対女子選手シングル戦となる師弟対決で激突。大仁田は愛弟子に対して情け容赦ない攻撃を浴びせ、おびたただしい流血で顔面を朱に染めながら渾身の力を振り絞って立ち向かうモンゴルをサンダーファイヤーパワーボムの５連発でねじ伏せ、２０分以上にわたる熱戦に終止符を打った。

　試合が決着して娘を思う父に戻った大仁田は、リング上でモンゴルの肩を抱き寄せて大健闘を称え、「サンダーファイヤーを３発も４発も返されちゃ形なしだよなぁ。男が女と闘うなんてという声も聞こえてきたけど、（リング上でモンゴルと向き合っていて）一筋の純粋さが見えた。こういうヤツがプロレス界に生きているということを憶えておいてほしい」と、控室に引き揚げてきたモンゴルをねぎらった。

　これをもって波乱に満ち溢れた大仁田厚の２０１３年は終了。だが、デビュー満２０周年となる２０１４年の闘いは早々に火ぶたを斬って落とした。大仁田は１月１日０時ジャストに本戦開始の「プロレス佐野魂」旗揚げ戦で組まれたカウントダウンマッチに登場。邪道軍の矢口壹琅＆保坂秀樹を従えて鉄壁の連係を披露し、快勝で幸先良い新年のスタートを切った。

　２年越しの一昼夜３連勝を飾った大仁田は、「この新木場に来ると、インディーのあり方を再認識させられるね。この時間まで残ってくれるお客さんに対してもありがたいと思う」と上機嫌でコメントし、改めて「大仁田厚はプロレス大賞に向いてないし、しゃくだけどしょうがないと思う。ただ、この邪道軍でかき回してかき回して、また一番、目立ってやろうかな」と２０１４年の抱負を不敵な笑みを浮かべて語った。

■「世界プロレス協会」旗揚げ戦
２０１３年１２月３１日　東京・新木場１ｓｔＲＩＮＧ（１３時〜）
＜ノーロープ有刺鉄線ストリートファイト・トルネード８人タッグデスマッチ無制限１本勝負＞
大仁田厚＆リッキー・フジ＆保坂秀樹＆○ミス・モンゴル
（１１分８秒、エビ固め←合体サンダーファイヤーパワーボム）
矢口壹琅＆松田慶三＆宮本裕向＆●稲松三郎

■ＣＰＥ年末特別興行
２０１３年１２月３１日　東京・新木場１ｓｔＲＩＮＧ（１９時〜）
＜ストリートファイトデスマッチ無制限１本勝負＞
○大仁田厚
（２０分５秒、体固め←サンダーファイヤーパワーボム５連発）
●ミス・モンゴル

■「プロレス佐野魂」旗揚げ戦
２０１４年１月１日　東京・新木場１ｓｔＲＩＮＧ（０時〜）
＜２０１４年カウントダウン　スクランブル・バンクハウス６人タッグデスマッチ無制限１本勝負＞
〇大仁田厚＆矢口壹琅＆保坂秀樹
（８分４３秒、体固め←合体サンダーファイヤーパワーボム）
佐野直＆スタンガン高村＆●よしえつねお