田中理恵「納得のいく体操人生が送れた」=引退会見一問一答

構成:スポーツナビ

体操の田中理恵が現役引退を発表。会見で今の思いを語った 【スポーツナビ】

 ロンドン五輪で体操女子団体総合8位の田中理恵(日本体育大教)が都内で会見し、現役引退を発表した。

 25歳でロンドン五輪出場の遅咲きのヒロインが決断した。今季は持病の腰痛のために休養しながら練習を続けていたが、「また五輪の演技ができるかどうかと考えると、達成感も五輪で味わったので、もうできないと思った」と引退の理由を明かした。

 兄の和仁(徳洲会)、弟の佑典(コナミ)も体操選手で、“田中3きょうだい”でロンドン五輪に出場し話題となった。家族にはすでに引退の報告したと言い「父と母がいなかったら田中3きょうだいもなく、活躍もできてなかったと思う。感謝の気持ちでいっぱい」と、涙を浮かべた。

 今後は、日本体育大の教員として体操の普及と後進の指導にあたる。

 以下、会見での田中のコメント。

「納得のいく体操人生が送れた」

体操競技部の恩師である近藤監督(右)と瀬尾コーチ(左)から花束が贈呈された 【スポーツナビ】

 選手生活を引退することをご報告させていただきます。12年のロンドン五輪が終わってから体調を整えるため、選手生活から離れていました。その間、選手として復活できれば良いなとトレーニングや治療をしていましたが、その気持ちが日に日に遠のいていくことに気付きました。ロンドン五輪が終わり、選手として達成感を味わうことができました。納得のいく体操人生が送れたと思います。

 たくさんの方が今も応援してくださっている中で、復帰ができないことに少し悔いがありますが、私自身、体操人生を通していろんなことを学びましたし、日本体育大に入学し、心から信頼できる監督、コーチに出会い、最高の仲間に出会うことができました。そして何よりいつも見守ってくれた家族に感謝の気持ちでいっぱいです。

 20年のオリンピック・パラリンピッの招致活動など、この1年、生涯忘れることのできない体験ができました。これからはお世話になっている日本体育大にもしっかり恩返しができるよう頑張っていきますし、たくさんのことにチャレンジしていきたいと思います。これからもよろしくお願いします。今までありがとうございました。

――引退を決断したのはいつか?

 特にこの日にやめようという日はなかったですが、この1年、また復帰できればいいなと思いながら練習を続けていました。ただ、また五輪の演技ができるかどうかと考えると、五輪で達成感も味わったので、もうできないと思います。

――これまで目指してきた体操とは?

 きれいな体操、美しい体操を1番に考えてやってきました。自分の弱い部分でもあったのですが、「1番になりたい」「優勝したい」ということよりも、たくさんの人が見に来てくれて、そこで感動を与えられる演技をするのが1番の目標でした。

――女子体操における年齢をどう思うか?

 よく18歳〜20歳が(競技人生の)ピークと言われていますが、私自身は年齢を考えて競技をしていませんでした。ただ、たまたま25歳の五輪にピークを持ってこられたのは良かったと思いますし、そのことで今の大学生が頑張ってくれているのを実際に試合を見ていて感じます。大学の後輩も「理恵さんも25歳で五輪に出たから、私たちはまだまだ若いです」と言ってくれてすごくうれしいです。

――今までで1番良かったと思う演技は?

 2012年の全日本選手権とNHK杯で個人総合優勝ができた試合が、ベストな演技だったんじゃないかと思います。ロンドン五輪の選考会でもあって、3きょうだいで絶対(五輪に)行きたいという気持ちもあったので、3人で五輪の切符を手にできて最高の試合でした。

――1番辛かったことは?

 苦しかったことはあまり覚えてないのですが(笑)、ロンドン五輪のときにもう少し自分の演技ができていれば、楽しい試合になっていたのかなと思います。

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