南米の2強が笑ったW杯組み合せ抽選会=前回王者スペインは厳しいグループに
ブラジル、アルゼンチンは与し易いGLに
現地時間6日に行われたW杯ブラジル大会組み合わせ抽選会。この結果で本大会も身近に迫ってきたと感じるだろう 【Getty Images】
ブラジルにとっての障害はクロアチア、メキシコ、カメルーンと同組に入ったグループリーグではなく、スペインかオランダ、運が良くてもチリと対戦することになる決勝トーナメント1回戦となる。
一方、常に冷静沈着なアレハンドロ・サベーラ監督いわく「ある程度は楽観視できる結果」となったアルゼンチンのグループにはナイジェリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、イランら与し易い相手がそろっただけでなく、試合会場もベースキャンプ地となるベロオリゾンテや涼しい南部の大都市リオデジャネイロ、ポルトアレグレが当たった。
さらにアルゼンチンは首位でグループを通過した場合、決勝トーナメント1回戦もやはり南部のサンパウロで戦うことができる。その相手もスイス、エクアドル、フランス、ホンジュラスのいずれかであり、大きな問題にはならないだろう。障害となり得るのはより高温で乾燥した気候のブラジリアで行われる準々決勝で、ベルギーやロシア、ポルトガル、運が悪ければドイツと対戦する可能性がある。
死の組はDとG。日本はGLより決勝T初戦が課題
もう1つはドイツ、ポルトガル、ガーナ、米国と高いポテンシャルを持つ4チームがそろったG組だ。本命はドイツだが、ポルトガルにはキャリア最高の時を過ごすクリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリー)がいる。また2006年までドイツ代表で監督とアシスタントコーチの関係にあったユルゲン・クリンスマン監督とヨアキム・レーヴ監督が対戦する米国対ドイツは因縁深い一戦となるはずだ。
C組に入った日本には決勝トーナメント進出の可能性が十分にある。本命は南米予選で好成績を残したコロンビアであり、コートジボワールも中心選手の活躍によっては躍進の可能性を秘めている。ギリシャも相変わらず堅固なブロックを保っているが、アルベルト・ザッケローニ監督率いる日本には大舞台での飛躍を期待できるだけの理由がある。とはいえ決勝トーナメント1回戦ではイタリア、イングランド、ウルグアイのいずれかと当たるだけに、準々決勝を目指すのは難しいと言わざるを得ない。
ベルギー、アルジェリア、ロシア、韓国のH組はヨーロッパの2チームが実力的に抜けている。このグループは2強のどちらが首位通過するかに焦点が絞られそうだ。
グループリーグが決まり、いよいよW杯が身近に
前回覇者スペインのデル・ボスケ監督にとっては、グループリーグ最初の2戦は厳しい戦いとなる 【Getty Images】
ヨハネスブルクの決勝で大苦戦を強いられたオランダと同じく――イケル・カシージャス(レアル・マドリー)がアリエン・ロッベン(バイエルン・ミュンヘン)との1対1で見せた驚異的なセーブを記憶している人は多いだろう――、前回大会のグループリーグでも同組となったチリもスペインにとって困難な相手となるだろう。ホルヘ・サンパオリ監督率いるチリは南米予選を通して上々の成績を収めただけでなく、最近は強豪国との親善試合でも良い結果を出している。
勝利がグループリーグ突破の条件だった前回大会のチリ戦では、クラウディオ・ブラーボ(レアル・ソシエダ)が誤って飛び出したミスを生かし、ダビ・ビジャ(アトレティコ・マドリー)がガラ空きとなったゴールにスペインの先制点を流し込んだ。だが後にビセンテ・デル・ボスケ監督はグループリーグ敗退の危機にさらされていた選手たちが非常に神経質になっていたことを明かしている。
はたして南米勢同士の決勝は実現するのか? もしくは何らかのサプライズが生じるのか?
グループが決まり、各チームのスケジュールが決まった今、いよいよW杯が身近に迫ってきた。
<了>
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