元日本代表が語るラグビーW杯とNZ戦=11.2対オールブラックスいかに戦うべきか

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提供:(公財)日本ラグビーフットボール協会

11.2オールブラックス戦をどう戦うべきか

11.2NZ戦、松田氏(左)と増保氏が期待する日本代表の戦い方とは? 【スポーツナビ】

村上氏「なるほど。では、11月2日のニュージーランド戦の質問もたくさん来ています。『どうやったらJAPANはいい試合ができるか?』」

(松田氏、増保氏、田沼氏の3人ともが下を向いて押し黙ってしまう……)

村上氏「下を向かないでください(笑)」

増保氏「期待はしていますよ。もちろん勝てば最高にいいんですが、それでも今まで以上にいい試合ができるんじゃないかと思います。というのは、日本代表の実力も上がっていますし、ホームでできるということもあって、あとは僕の願望です。ちょっと前半くらいはタイトなスコアで行ってほしいなと。それでちょっと相手を慌てさせて、後半、ちょっと相手の本気を見るのもいいんじゃないかと。それぐらいオールブラックスを追い込んでほしいなと思いますね」

村上氏「田沼さんだったら選手にどんな戦略を授けたいですか?」

田沼氏「そうですね、戦略のところはエディーさんが今入院中ですけど、いろいろと考えていると思うんで、それを信じてどれだけ実行できるか。やっぱりオールブラックスということで、相手の名前とか体格とかいろいろと見ちゃうと思うんですが、自分たちにちゃんとベクトルを向けて、自分たちがやることをちゃんと一からやることだと思います。エディーさんは細かいところをしっかり考えてくれていると思うので、それが150個あったら100個できるのか50個しかできないのか、というところをこだわってやっていけば、勝つ機会もあるでしょう。僕もエディーさんの指導を受けたことがありますけど、絶対に勝てるシナリオを描かれていて、その通りできるかできないかにかかっていると思います。それはどんな相手でもそうですが、エディーさんを信じきって選手がやり続けてくれれば絶対に勝てると思います」

村上氏「松田さんはどう思われますか?」

松田氏「正直、力の差はあると思います。でも、それを見極めるためにもJAPANの選手には開き直らずに、ニュージーランドが相手だから負けてもいいやとか、思いっきりやろうとか、そういう気持ちじゃなくて、ずっと自分たちがやっていることをきちっと、どこのチームと対戦するときと同じように、当たり前のようにやるというか、ニュージーランドだからちょっと奇をてらったプレーとかではなくて、いつも通りずっとやってきことをやって、それで通用しなかったらまた考えればいい話、そこで見つめなおせばいいと思うので、そういうプレーをしてほしいです」

村上氏「まず持てる力をぶつけるということですね。これまでニュージーランドとの試合のときは日本側の方がちょっと若手主体にしてみたりとか、本当にチャレンジした試合は少ないんです。26年前の1987年は本気でぶつかって木っ端微塵にやられたんですが、今回はもうちょっとやれるんじゃないかと僕も思っています。エディーさんが入院してしまいましたが、こういう場合は選手にとってはどうなんでしょうか?」

田沼氏「信頼できるリーダーがいなくなったときは、やっぱり危機は感じますが、逆に自分たちが成長できるいいチャンスだと捉えてほしいですし、エディーさんの病状を回復させる材料になるように、勝つこともそうなんですが、エディーさんがセットしたことをしっかりやっているという姿を見せることが一番大事で、その先もそれをやっていけば必ず勝つシナリオを描かれていくと思います。それでやっぱりフィールド上のエディーさんを見ていると、チームの状況が良くないときは声を一番出していますし、そこに選手も頼っている部分があると思うんです。逆にエディーさんがいないことで自分たちで声を出したりとか、これからの日本代表のためにいい機会だと思って取り組んでほしいと思います」

村上氏「松田さん、こういう状況は選手だったら燃えますよね?」

松田氏「そうですね。エディーさんはシステム面をしっかりと教えているので、コーチが代わっても選手は分かっていると思うんですけど、選手は当然やってやろうという気持ちになるのは当たり前だと思います」

増保氏「はい、そういう意味ではエディーさんがいないときにチームとして選手間で自立するいいチャンスだと思います。もちろん代行されるヘッドコーチの方も素晴らしい方だと思いますけど、先ほど田沼とか松田さんが言ったようにやるべきことをやって、それがどれだけの実力のポイントになっているのか、そこから次のヨーロッパ遠征にもっといい形でつなげてほしい。テストマッチを含めて、プレミアのチームとも対戦しますし、今回はいいチャレンジなので、チームとしては非常に残念で悲しいことですが、廣瀬(俊朗)が非常にいいリーダーシップを持っている選手なので、彼を中心に選手としてのまとまり感がぐっと出ればいいんじゃないかなと思います。チームとしてワンステップ上に上がれるんじゃないかなと思いますね」

村上氏「エディーさんの症状は比較的軽いようなので、ここはしっかり休んでいただいて、今は選手間でチームを成長させる時期と捉えて、また来年の春からバリバリやっていただければというところですね。それでは、いろいろとご質問に答えていただきました。そろそろフォーラムの終了となります。ありがとうございました」

増保氏に聞く「ラグビーワールドカップ2019成功のためにすべきこと」

「僕らはいろんな普及活動、広報活動や、またこうしてファンの方たちとコミュニケーションを取れるワークショップ、フォーラムというところに、できる限り参加して行動を起こしていくことだと思います。その中で携わった人たちとのネットワークを切らさないように大事にして、少しずつでも継続して活動をしたいと思います。そして、そういう意味ではファンのみなさんもアンバサダーだと思いますので、積極的に2019年に日本でラグビーのワールドカップがあるんだよということを宣伝していってほしいですね」

松田氏に聞く「ラグビーワールドカップ2019成功のためにすべきこと」

「僕は、子どもたちにラグビーワールドカップに行きたい・出たいと思ってほしいと思っているんです。子どものころ僕は野球をやっていたんですけど、例えばあるプロ野球選手のことをあまり知らなくても、そのプロ野球選手が地元に来たとなったらやっぱりサインをもらったりとか、そういう思い出もありますので、僕らがアンバサダーとして各地のジュニア大会やイベントに行くことによって、直接僕らのことは知らなくても、元日本代表の選手だよということで『じゃあ、サインもらおうかな』とか『そういえばあの時、日本代表が来たなぁ』と10人に1人でも思ってくれる子どもがいて、その子がラグビーを続けたり、ワールドカップを見に来てくれたりすることで、ラグビーは広まっていくと思います。急には広がっていかないと思いますが、地道にそういう活動は続けていきたいと思います」

田沼氏に聞く「ラグビーワールドカップ2019成功のためにすべきこと」

「今回のようなイベントには必ず参加して、そこでラグビーの素晴らしさを伝えていくことと、周りにいらっしゃるラグビーを知らない方たちに対してアンバサダーの一員としてラグビーの素晴らしさを伝えたり、競技場にいっしょに足を運んでもらったりとか、とにかく僕はラグビーを知らない人にラグビーを知ってもらう動きをすることが大事だと思っています。例えば繁華街にいる人たちに急にボールを見せて、触ってみませんか?という形だったり、本当に知らない人たちにラグビーってこういうボールをつかってプレーするんだとか知ってもらうことが大事だと思うんです。たぶん、許可とかとればどこでもできると思うので、1人でもラグビーを初めて知るという人を増やしていきたいですね」

協力:(公財)日本ラグビーフットボール協会

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