香川真司が痛感した試合勘不足=東欧の地で誓ったクラブでの現状打破
内容と結果を追い求めていたが…
相手の厳しいマークに遭ったセルビア戦。香川にとっては消化不良の一戦となった 【Getty Images】
対戦相手のセルビアとベラルーシは、2014年ワールドカップ(W杯)・ブラジル大会の予選敗退国。だが、セルビアにはブラニスラフ・イバノビッチ(チェルシー)を筆頭に、プレミアリーグ所属のDFがズラリと並び、ベラルーシもフィジカル色の強いロシアでプレーする屈強な男たちをそろえる。加えて日本はアウエーを大の苦手としている。どちらの試合も確実に勝てる保証はなかった。
「今の代表はヨーロッパでやってる選手が多いから、アウエーの難しさは1人ひとりがよく自覚してる。いきなり代表が集まってアウエーで戦うのは本当に難しい。それは1人ひとりが意識し続けることで解決できるところでもある。アウエーの中でどこまで攻撃を組み立てて、自分たちが主導権を握ってやれるか。そこに僕はしっかりチャレンジしたいですし、勝ちきって得点もいい形で生まれるようにやっていきたいと思います」
ノビサド(セルビア)合宿に合流した直後の香川は、高いレベルの内容と勝利という結果の両方を追い求める強い意思を示した。
「消化不良だった」セルビア戦
「前半の前半は特に相手が高い位置を取ってきて、真司が相当低い位置まで下がって守備をしないといけない状況になった。そうなるとなかなか上がることもできないし、体力も消耗する。相手のカウンターが怖くて後ろに余りすぎていたかなと。リスクを冒して飛び出していく選手がもっといて、スイッチを入れる時にはみんなで相手ゴールに襲い掛かるようなサッカーをしないと勝つのは難しい」と長友も厳しい表情で語っていたが、香川もまさに同意見だった。
「率直に言って消化不良だった。やっぱり最後のアクションやアイデアがなければ崩せないというのをやりながらすごく感じたし、単純にクロスボールを放り込んでも厳しいというのも目に見えていた。だからこそ、カウンターからのチャンスでもっと精度を高めるとか、何かアクションを加えないと厳しい。あれだけブロックを敷かれた状況だと攻撃の糸口は正直、見つからなかった」と彼自身、反省しきりだった。
どうすれば攻撃を活性化できるのか
「相手が自分たちのサイドにプレスをかけてきたら何もできないと言っていたら、話が終わっちゃう。フィジカルの強い相手だったり、厳しいプレッシャーをかけてくる組織的な守備の相手に対してどういう戦いをするかという意味で、チームとしての方向性を見つけて行かないといけないと感じました。実際、セルビア戦の僕らはつねに数的優位じゃなかったですし、数的同数で守られていた。もっと攻めに人数をかけるべきだし、動きの質と量を増やして相手を惑わしていかないと引かれた相手には苦しい。リスクを冒してトライしていかないといけないと思います」と、彼は攻撃の積極性をあらためて頭にたたき込んで、ベラルーシ戦に挑む決意を固めた。