出雲、全日本、箱根――人々を魅了する学生3大駅伝の特徴とは?
「学生3大駅伝」と呼ばれる出雲、全日本、箱根。それぞれの大会の特色とは!? 【写真は共同】
強豪校が“学生3大駅伝三冠”を目標に掲げることもあるが、それを実現させるのは簡単なことではない。実際、これまで学生3大駅伝の三冠を達成したのは1990年大東文化大、2000年順天堂大、10年早稲田大の3校だけだ。出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝にはそれぞれ異なる特色があるからこそ、各チームはその攻略に苦戦し、多くの人々を魅了するドラマが生み出されるのだろう。
では、それぞれの大会の特徴とは何か。1大会ごとに見ていきたい。
出雲駅伝:スピード勝負の短距離決戦
この大会を特徴付けているのは、6区間44.5キロという学生3大駅伝で最も短いコースにある。選手が1キロ2分55秒ほど(フルマラソンに換算すると世界記録の2時間3分台に近いペース)のハイスピードで駆け抜けることから「スピード駅伝」とも称される。最も短い区間が2区5.8キロ、最長でも最終6区10.2キロと短いことから、スピード自慢の選手が走ることが多い。
また、その距離の短さや学生駅伝初戦であることから、経験の浅い1、2年生の出走も比較的多い。出雲で結果を残して、続く全日本や箱根で活躍するホープの出現を期待したいところだ。
■第25回出雲駅伝
日時:2013年10月14日(月・祝) 13時05分スタート
コース:島根・出雲大社〜出雲ドーム前(44.5キロ/6区間)
出場校:22チーム
前回優勝:青山学院大
全日本大学駅伝:全国の予選を勝ち抜いた精鋭が競り合い
この大会の持つ重みは、その選考方法を見ればすぐに分かるだろう。推薦で出場が決まる出雲駅伝、出場大学が関東地区限定の箱根駅伝に対して、全日本大学駅伝は、全国の大学が各地区の予選会を勝ち抜かなければ本戦の舞台に立てない。この2カ月後に行われる箱根駅伝の“前哨戦”と呼ばれることもあるが、それでは片付けられない、“大学駅伝日本一”の称号を懸けた戦いが繰り広げられるのだ。
関東地区の大学に注目が集まりがちだが、それ以外の地区の大学も、し烈な戦いを勝ち抜いた実力校ぞろいだ。今大会では、京都産業大、立命館大など関西の強豪校、強力な留学生を擁する九州代表の第一工業大、初出場の岐阜経済大などが出場する。有力選手が集う関東勢の一角を崩すのは難しいが、奮闘を期待したい。
■第45回全日本大学駅伝
日時:2013年11月3日(日) 8時5分スタート
コース:愛知・熱田神宮〜三重・伊勢神宮(106.8キロ/8区間)
出場校:26チーム
前回優勝:駒澤大
箱根駅伝:5区・山上りで展開されるドラマに注目
全長は217.9キロと学生3大駅伝の中では最長で、大会規模も3大会で最も大きい。しかし、実は出場できるのは関東の大学のみで、関東地区の地方大会の1つである点が他の2大会とは大きく異なる。出場するのは、前回大会でシード権を獲得した10校と、毎年10月に行われる予選会を勝ち抜いた大学だ。
箱根の代名詞とも言うべき特徴が、往路の5区の山上りだ。標高差800メートルを超える過酷なコースでは、これまで、“山の神”と称された東洋大・柏原竜二(現富士通)のような山のスペシャリストが、それまでのタイム差や順位を一気にひっくり返す大逆転劇が幾度となく見られた。
なお、今年度は、90回大会を記念して、予選会からの出場校枠数が3枠増の13校になり、本戦には全23校が出場する。また、本戦出場を逃した大学から選抜された選手で構成される関東学連選抜チームの編成がない(ただし、91回大会からの復活が決まっている)。今大会は果たしてどんなドラマが繰り広げられるか。
■第90回箱根駅伝
日時:往路 2014年1月2日(木)/復路 1月3日(金)
コース:東京・大手町〜箱根・芦ノ湖(往路:108.0キロ、復路:109.9キロ/10区間)
出場校:23校
前回優勝:日本体育大
<了>
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ