錦織圭、トップ10に向けた厳しい戦い=真の強者へ 全米オープンは通過儀礼
順当勝ちでフェデラーとの再戦も
錦織が順当に勝ち進めば、5月のマドリード・オープンで倒したフェデラー(右)との再戦の可能性もある 【写真:PanoramiC/アフロ】
現実的な話としては、この全米オープン後に錦織がトップ10入りする確率は、決して高いとは言えない。他の選手の動向次第ではあるが、仮にベスト8まで勝ち上がったとしても、10位に届くかどうかは微妙である。だが、そのような数字上の“誤差の範囲”に近い上下動など、本人は大して気には止めないだろう。
「一度入るだけでは意味がない。その地位にとどまれるだけの力を確立することが目標」
ウィンブルドンの頃から、錦織はそのような言葉を何度も繰り返している。だからこそ、今回の全米オープンは錦織にとって、数字以上の大きな意味を持つはずだ。
“打倒錦織”に燃えているであろうライバルたちの包囲網を、果たして突破することができるか? ナダルが言うように、彼ら盤石の上位陣の一角を崩し、世代交代の騎手として名乗りを上げることができるのか? 待ち受けるのは、厳しい戦いであるのは間違いない。だが、次のステージへの扉を開くためには決して避けて通れない、真の強者への通過儀礼である。
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