自分を信じ高みを目指す川島の未来
批判、移籍話…重圧の中で迎えた開幕戦

スーパーセーブが飛び出した今季初戦

リーグ開幕戦でスーパーセーブを連発し、チームの勝利に貢献した川島
リーグ開幕戦でスーパーセーブを連発し、チームの勝利に貢献した川島【写真:Image Globe/アフロ】

 7月28日、ベルギー1部のスタンダール・リエージュはメヘレンとのアウエーゲームを2−0で勝ち、幸先よいシーズンスタートを切った。GK川島永嗣は2度のセーブでチームの完封勝利に貢献した。


 0−0で迎えた51分、右サイドからのクロスを受けたセンターFWモクルは、狙い通りの左足トラップからGK川島と1対1になった。ゴール隅目掛けてモクルは右足シュートを放ったが、川島はその至近距離からのシュートに対し素晴らしい反応で左へ飛び、指先でボールをはじいた。

「僕のシュートがスーパーセーブで決まらなかったのはとても残念だった。川島を讃えるしかない。僕のシュートは決して悪くなかった」(モクル)


 ヨーロッパリーグ予備予選2回戦でレイキャビクと戦っていた川島は、試合前からこのようなピンチを思い描いていたという。 

「今季、すでにアウエーで(レイキャビクと)試合をした。メヘレン戦前に『ああいうシーンが来るかな』と考えていたので、そういう意味ではあそこにボールが出てくると予測して、うまく対応できたと思う」(川島)


 大ピンチを防いだイメージ通りのビッグセーブに、川島のガッツポーズが飛び出した。メヘレンの地元紙『ガゼット・ファン・アントウェルペン』は、モクルのシュートを防いだ川島のプレーを「ミラクル」「神風レフレックス」と表現した。

MOMにつながった盤石の守備

 2度目のビッグセーブは66分。このとき、スタンダールは1−0でリードしていた。小柄で運動量に優れたFWコルダロは至近距離からヘディングシュートを放った。しかし川島は、今度も左へ飛んではじき出した。

「川島があのようなセーブでシュートを防いでしまって残念。その前にも彼はうちの先制ゴールになりそうなシュートを止めていた」(コルダロ)


 川島自身は2度目のセーブシーンを「シュートのコースはあまり難しくなかった」と振り返る。しかし、(メヘレンから見て)右サイドからのクロスに対し飛び出さず、ポジションをしっかりとってコルダロのシュートに対応できた判断に関しては満足している。昨季の川島は「『クロスに対して全部出ろ』というぐらいの勢いだった」(川島)と語り、実際にそのような指示も受けていたのだという。それを今季はGKコーチと話し合って、やみくもにクロスを競りに行かなくなった。


「昨季は『出ろ、出ろ』と言われていたが、今は出なければいけないところ、出ないところの対応をハッキリさせている。(セーブシーンは)前にうまく出られないボールでした。そういう意味でもうまく対応できた」(川島)


 この日、メヘレンのセットプレーに対し、シマンを始めとするスタンダールの守備陣が空中戦をことごとく競り勝って、ヘッドではじき返していた。昨季は、こうしたボールにも無理な体勢で川島が前に出て、小さなパンチングから逆にピンチになるシーンがあったが、メヘレン戦では新たなクロスの対処法が功を奏し、盤石の守備につながった。


 タレント溢れる攻撃陣の活躍もあって、スタンダールは2−0で快勝したが、ベルギー紙は試合の要所要所でビッグセーブを披露した川島の活躍を高く評価。『ガゼット・ファン・アントウェルペン』は川島に対し、DFファン・ダメと並ぶ7の採点。スタンダールの地元紙『DH』は川島に8の高採点を与え、文句無しのマン・オブ・ザ・マッチに選んだ。

中田徹
中田徹

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

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