“天才”柿谷曜一朗の封鎖に失敗した韓国=現地メディアが見た日韓戦
柿谷が“ザックジャパン”のFW有力候補に
警戒していたにも関わらず柿谷(青)を止めることができなかった韓国代表 【Getty Images】
大会前から柿谷は、韓国メディアが警戒する選手の筆頭候補だった。『スポータルコリア』は日韓戦前に、柿谷のことをこう評価していた。
「子供のころの香川真司(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)よりも、うまいと評判だった選手。昨年から頭角を現し、現在はセレッソ大阪のエースとして活躍中で特にドリブルがうまく、個人技が長けている」
さらに同じセレッソ大阪でプレーする韓国のキム・ジンヒョンも「“天才”と呼ばれた選手で個人技に自信を持っている。瞬間的な突破からのシュートとパスには警戒する必要がある」と語っている。
韓国代表は柿谷のことをよく知っていたし、警戒対象だった。それだけに、今回2ゴールを許したことに悔しさが残る。
一方、『エックススポーツニュース』は「ホン・ミョンボ号は柿谷曜一朗の封鎖に失敗した」と見出しをつけ、「今大会3ゴールで得点王になったことで、“ザックジャパン”のFW有力候補に急浮上した」と説明。韓国メディアは、柿谷が今大会の活躍でブラジルワールドカップ(W杯)メンバー入りへ大きく近づいたと見ている。
「ザッケローニのジンクスは続く」
「2010年8月に日本代表監督に就任したザッケローニ監督だが、その後は4度の韓日戦を行い、3勝1分けと圧倒的な成績を残している」
結果だけみれば確かにそうだ。2010年10月、ソウルワールドカップスタジアムで行われた試合では0−0のスコアレスドロー。2011年1月、カタールで行われたアジアカップ準決勝で2−2から、日本がPKで勝利。2011年8月、札幌で行われた親善試合では香川2ゴール、本田圭佑(CSKAモスクワ/ロシア)1ゴールの活躍で3−0で日本が勝利した。
そして4度目の日韓戦でも日本が勝った。“韓国戦に強いザッケローニ”と言っては少々大げさかもしれないが、韓国にとっては嫌なジンクスである。こうした嫌なジンクスを破るためにも、今後のホン・ミョンボ監督の手腕に期待したいところだが、すでに次に向けて韓国には重要な試合が控えている。8月14日にはペルー代表、9月6日にはイラン代表と親善試合を行う予定だ。招集する選手はまだ決まっていないが、今大会の経験を生かしたうえでのチーム作りになるだろう。
ちなみに韓国の3試合で、オーストラリア戦は約3万1000人、中国戦は2万3000人、日本戦は約4万7000人の観客が入った。自国開催なのでまずまずの客入りとは言えるが、2002年日韓W杯の盛り上がりを全盛期とするならば、今や韓国代表チームへの関心が薄れているのは周知の事実。韓国代表チームへの信頼回復のためには、一にも二にも絶対的な勝利が必要なのかもしれない。
<了>