吉田秀彦「柔道界、良いニュースも出そう」11年ぶり柔道大会出場へ公開練習
がむしゃらにやっている姿を見てもらいたい
11年ぶりとなる柔道大会出場へ公開練習を行ったバルセロナ五輪金メダリストの吉田秀彦 【スポーツナビ】
約1カ月前から本格的に練習を始めたという吉田は「頭で思っているのと体(の動き)が違う。練習していても歯がゆさだけがある。昔ならできていたのにと思うところがある。足が上がらなくなってきているし、握る力が弱くなっているから(相手の道着を)持ってもすぐに切られてしまう。それでも練習をやって筋肉痛にもならなくなったし、ある程度は投げられるようになってきた。楽しみ半分、不安半分」と苦笑い。練習では現役選手に投げられて荒い息遣いを見せる場面もあったが「(鮮やかな一本勝ちなど)昔の印象を持たれている方もいると思うけど、今回のテーマは『必死』。がむしゃらにやっている姿を見てもらいたい」と胸を張った。
柔道界は今年に入って全日本女子の体罰問題に端を発し、助成金不正問題やわいせつ問題による現職理事の辞任など暗いニュースばかり。金メダリストの公式戦復帰で話題を提供する吉田は「悪いニュースばかりじゃなくて、良いニュースを一つでも出していけるようにみんなが頑張らないといけない。そうじゃないと日本の柔道は何の魅力もなく終わってしまうんじゃないか。柔道を良くしていこうと思って言っているなら、非難だけじゃなくて良いことももっと出そうよ」と柔道界の仲間に呼びかけた。
体罰と教育は紙一重…日本柔道再建へ持論を展開
「ある程度は投げられるようになってきた」と復活へ手ごたえ 【スポーツナビ】
告発を受けた責任を取る形で明大の後輩にあたる園田隆二前全日本女子監督が辞任した件については「弁護するわけじゃないけど、僕が見ていた限りでは園田なんて本当に一生懸命にやっていた。選手も面と向かって言えばいい。誰も出てこないで人を非難して……。あれだけ愛情を持っていた奴がなんでこんな風に……と思う。確かに口が悪いところはあるし、反省しないといけないところだと思うけど」と嘆いた。
全日本選手権? 挑戦は何でもしていきたい
不祥事が続く日本柔道界へ明るいニュースを提供できるか!? 【スポーツナビ】
吉田は明治大学柔道部の監督をしていた2002年の全日本柔道選手権を最後に一線を退き、プロ格闘家に転身。2010年4月に総合格闘技を引退後、1年が経過して全柔連の登録規定をクリアした2011年に指導者として再登録を行い、パーク24柔道部監督に就任。ロンドン五輪の男子66キロ級銅メダリスト海老沼匡らを指導している。
プロ格闘家としての活動終了から3年が経過し、全柔連の競技者登録が可能となった今年、ついに選手としての大会出場に踏み出した。今大会出場後の選手としてのプランは未定だが、優勝経験のない全日本選手権への出場意欲を聞かれると「挑戦は何でもしていきたい。練習しながら出られると思えば、皆さんに報告したいと思う」と完全否定はしなかった。古い時代の良さを知り、再び畳に上がる中年の汗が、柔道界に何かを伝えようとしている。
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