スタンダールで高まる永井謙佑の存在感
スーパーサブからレギュラー定着へ

2回のチャンスに絡むもゴールはならず

アンデルレヒト戦でも途中出場した永井(右)は、試合ごとに存在感を高めている
アンデルレヒト戦でも途中出場した永井(右)は、試合ごとに存在感を高めている【写真は共同】

 6日に行われたベルギー1部のプレーオフ第2戦、スタンダール・リエージュとアンデルレヒトの伝統の一戦は、スコアレスドローに終わった。アンデルレヒトがボールを回し、スタンダールがカウンターを狙う構図だったが、両チームともゴールを狙う積極性を欠いた。


 目についたのが首位アンデルレヒトの元気のなさだ。スタンダールDF陣の寄せの早さについていけず、枠内シュートはゼロ。GK川島永嗣のところまでボールが届くことは、ほとんどなかった。プレーオフに入ってから2試合で、アンデルレヒトが奪った勝ち点はわずか1。レギュラーシーズン時の勢いはない。


 一方、スタンダールは残り10分から猛攻を仕掛けた。最も惜しかったのは81分、永井謙佑がシュートを外した場面。71分から2トップの一角としてプレーした永井は、ジョゼ・ムポクのパスを右足アウトフロントで浮かしてゴールを狙ったが、わずかに枠をとらえきれなかった。試合後の永井は「外したぁ」とこの場面を悔やむことしきりだった。


 90分には味方のFKをゴール正面からヘディングで狙ったが、このシュートはバーの上を越えた。ベンチから、ずっとセットプレーが相手GKの前に入っていたものの、誰もそこへ入っていないことに気づいていたという。そこで実際に自分が飛び込んだところ、「ドンピシャでボールが来た」が、「高さは自分の限界でした」ということもあって、ヘディングでたたきつけることができなかった。

「だいぶパスが来るようになった」

 デビューマッチのモンス戦(2月10日)では、自分の頭上をボールが飛び交い、ほとんどボールタッチがないまま試合を終えた永井だったが、前回のクラブ・ブルージュ戦、今回のアンデルレヒト戦と、チームメートがしっかり永井の裏への動き出しに合わせてボールを供給している。89分には、左サイドバックのファン・ダメが相手ボールをスライディングタックルで奪うや否や、縦一発のパスで永井を前へ走らせた。


「だいぶパスが来るようになりました。こうやってチャンスも増えてきているので、決めないといけないですね。試合の途中から(2トップとして先発した)ミチ(バチュアイ)とイモ(エゼキエル)の足下、足下になって、誰も裏に抜けてなかったんで、極力、裏を狙っていました」


 スーパーサブ的な役割の永井に与えられている出場時間は短いが、試合ごとにその濃さが増している。


「コミュニケーションはとれてますし、あとは連動を高めることであったり、しっかり決めるだけですね。初めてのクラシコはとても独特で楽しかったです。早く(ゴールを)決めたいです」

 

 スタンダールは順位をひとつ下げ5位になった。しかし、アンデルレヒトとはレギュラーシーズンの勝ち点17差から、一気に6差まで迫っている。毎週ビッグゲームが続くベルギーのプレーオフは、大混戦になった。


<了>

中田徹
中田徹

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

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