フェラーリ代表が語る小林可夢偉=赤井邦彦の「エフワン見聞録」第3回
ドメニカリからの提案
「小林は当初F1にこだわっていたようでしたが、そのF1にシートがなくて1年間レースから遠ざかるようなことがあるのは決して褒められたことじゃないと考え、GTレースでもよければ是非フェラーリで走らないかと誘いました」
ドメニカリの提案はフェラーリと契約し、レースはフェラーリに近いAFコルセのマシンに乗るというもの。小林もフェラーリと契約できるなら前向きに考えるということで、結果的に小林はフェラーリと契約し、AFコルセでWECを走ることを決めたのだ。
可夢偉、跳ね馬入りの可能性は?
では、フェラーリは14年に小林をドライバーとして採用する可能性があるのだろうか? ドメニカリはその質問にはこう答えた。
「ない。というより、現時点ではフェラーリのF1チームに小林を迎える計画はないです。今年は(フェルナンド・)アロンソと(フェリペ・)マッサという素晴らしいドライバーがふたりいます。マッサは今年の末で契約が切れるが、彼が来年もフェラーリで走らないと決まったわけではありません。契約の延長があるかもしれないし、ないかもしれないのです」
「小林に関しては、あくまで2013年の契約で、その後のことは何も話し合っていません。彼にはWECのGT ProクラスでAFコルセが再びタイトルを獲得するために努力してほしいということです」
この厳しい条件でも小林はフェラーリでWECを走ることを選んだ。そこには、彼なりの考えがあるのだろうが、現時点では私は小林と連絡が取れていないので、彼の考えは知る由もない。できれば、WEC開幕戦シルバーストン6時間レースの現場で小林に話を聞いてみたい。
<了>
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