「松坂超え」なるか? ダルビッシュ2年目への期待=米予測サイトは「勝ち星微減」その理由は?

菊田康彦

意外にも低い現地米国での成績予測

ダルビッシュのメジャー2年目、米サイトでは意外にも勝ち星微減の予想が多数を占めるが…… 【Getty Images】

 14勝9敗、防御率3.45、奪三振247──。
 6年総額6000万ドルという超大型契約でレンジャーズ入りし、今年でメジャー2年目を迎えるダルビッシュ有。その2013年シーズンを、野球を統計学的見地から客観的に分析する「サイバーメトリクス」の始祖として知られるビル・ジェームズは、毎年恒例の成績予測でこんなふうに占っている。

 実は「ファンタジー・ベースボール」が盛んな米国では、さまざまな媒体がこのような成績予測を行っている。「ファンタジー・ベースボール」とはファンが実在の選手を独自に編成して仮想チームを作り、実際のシーズン成績をポイント化してチームごとに競うという一種の野球ゲームである。一説によると米国では1000万人を超えるファンがこのゲームに興じているとも言われており、ファンはこうした成績予測を参考に、コストパフォーマンス等を勘案しながら自らのチームを編成していくというわけだ。

「防御率は良くなるが、勝ち星は微減」

 そんなファンタジー・ベースボールの情報サイトの1つ「ファンタジープロズ」では、CBSスポーツやESPN、ファングラフスなど11の媒体の成績予測が一覧できるようになっている。その平均値を求めると、ダルビッシュの2013年の成績はこうなる。

15勝8敗、防御率3.59、奪三振218

 つまり、ジェームズの予測とおおむね一致していると言っていい。ちなみに昨年のダルビッシュの成績は16勝(リーグ6位タイ)9敗、防御率3.90、奪三振221(リーグ5位)。ベースボール・シンク・ファクトリーの「ZiPSプロジェクションズ」が唯一、昨年を上回る17勝と予測しているものの、総じて言えるのは「防御率は良くなるが、勝ち星は微減」だ。これは何故か?

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著者プロフィール

静岡県出身。地方公務員、英会話講師などを経てライターに。メジャーリーグに精通し、2004〜08年はスカパー!MLB中継、16〜17年はスポナビライブMLBに出演。30年を超えるスワローズ・ウォッチャーでもある。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』(カンゼン)。編集協力に『石川雅規のピッチングバイブル』(ベースボール・マガジン社)、『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』(セブン&アイ出版)。

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