2017年WBCでV奪還へ、若手選手に求められるもの

中島大輔

藤浪、大谷、松井…次世代の侍ジャパン入りが期待される若手選手

次回2017年WBC出場が期待される阪神のルーキー藤浪 【写真は共同】

 そこで、筆者が独断で次回の代表候補をリストアップした。過去に出場歴のある選手はいずれも代表レベルに達しているので、ここでは選んでいない。
 以下、順不同で紹介する。

投手:宮國椋丞、菅野智之(巨人)、浅尾拓也、山内壮馬、大野雄大、田島慎二(中日)、村中恭平、由規、増渕竜義、赤川克紀、日高亮(東京ヤクルト)、藤浪晋太郎、榎田大樹、歳内宏明(阪神)、野村祐輔(広島)、国吉佑樹(横浜DeNA)、吉川光夫、増井浩俊、大谷翔平(北海道日本ハム)、武田翔太、千賀滉大、山中浩史(福岡ソフトバンク)、岸孝之、菊池雄星、大石達也(以上、埼玉西武)、釜田佳直、則本昴大(東北楽天)、唐川侑己、益田直也、藤岡貴裕、中後悠平(千葉ロッテ)、平野佳寿、西勇輝(オリックス)、松井裕樹(桐光学園高)

捕手:松井雅人(中日)、高城俊人(横浜DeNA)、大野翔太(北海道日本ハム)、嶋基宏(東北楽天)、伊藤光(オリックス)、森友哉(大阪桐蔭)

内野手:大田泰示(巨人)、堂上直倫、高橋周平、吉川大機(中日)、川端慎吾、山田哲人(東京ヤクルト)、堂林翔太(広島)、筒香嘉智(横浜DeNA)、西川遥輝、杉谷拳士(北海道日本ハム)、今宮健太、明石健志(福岡ソフトバンク)、浅村栄斗、永江恭平(埼玉西武)、銀次(東北楽天)、鈴木大地(千葉ロッテ)、T−岡田(オリックス)、渡辺貴美男(JX−ENEOS)

外野手:大島洋平(中日)、伊藤隼太(阪神)、荒波翔(横浜DeNA)、柳田悠岐(福岡ソフトバンク)、秋山翔吾(埼玉西武)、聖澤諒(東北楽天)、伊志嶺翔大、荻野貴司、岡田幸文(千葉ロッテ)、坂口智隆、駿太(オリックス)、
 
 すでに一流と認められている選手だけでなく、将来性を買っての選出もした。まだ実績のない投手の千賀や則本は強いストレート、サブマリンの山中と左腕の中後は変則フォームが魅力で、大田や柳田、高橋には長距離砲としての成長を期待したい。アマチュアからは松井、森、渡辺の3人を選んだ。昨夏の甲子園で奪三振ショーを見せた松井は説明の必要はないだろうが、大阪桐蔭の森は強打と強肩が持ち味で今秋のドラフト1位候補。ショートの渡辺は巧打と好守を誇り、国学院大学時代から注目を集めてきた。森、渡辺ともにメンタルが抜群に強い点も選出理由だ。リストアップした3人だけでなく、まだプロの門を叩いていないアマチュアから多数の選手に代表入りしてほしい。

実績を残しながら経験と自信を

 今後の侍ジャパンは15年3月に日本で開催される世界大会「プレミア12」に向けて、今秋から始動する。「プレミア12」は国際野球連盟のランキングに、WBCなどの結果を踏まえ、アメリカやプエルトリコら12カ国が出場予定だ。各国のメンバーは若手中心になると見られ、日本も次代を担う選手たちが招集されるだろう。そこで結果を残した選手たちが、現在から4年後、2017年のWBCに出場する。

 では、V奪還を目指すひのき舞台に立つため、若手には何が求められるのか。西武の秋山はこう考えている。

「外野手はいっぱいいるし、年下の選手も出てくるでしょうね。代表は実績を積み重ねた人が選ばれる場所。僕はしっかりフルに1年間やったシーズンが、まだありません。チームをずっと支えていける選手が代表に選ばれると思う。そういう意味でも、積み重ねが大事だなと思いますね」

 豊かな才能を持った若手選手たちは、実績を残しながら経験と自信を積み重ねてほしい。2017年のWBCに、筆者が今回リストアップした以外から、ひとりでも多くの選手が出場することを切に願う。

<了>

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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『プロ野球 FA宣言の闇』。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』(ともに亜紀書房)がミズノスポーツライター賞の優秀賞。その他の著書に『野球消滅』(新潮新書)と『人を育てる名監督の教え』(双葉社)がある。

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