大学バスケに「完敗」のWBC、なぜ米国で盛り上がらないのか?
米国でWBCが盛り上がりを見せない中、代表チームが敗退した際は米国からWBCが消える危機となる。写真はトーリ監督。 【Getty Images】
アリゾナ州で行われたメキシコとの初戦では、球場に詰めかけた約4万人の半数以上がメキシコのファンで占められたという。米国代表は母国での開催ながら、敵地の雰囲気の中で戦わなくてはいけなかった。球場には他国のファンが多数かけつけているが、なぜ米国でWBCが盛り上がらないのか。
大学バスケットボールに完敗ムード漂うWBC
オバマ米大統領も就任以来、ESPNの番組企画で上位進出校を予想するなど、国民的スポーツ・イベントとして注目度は高い。WBCが行われている現在も、スポーツ番組はトーナメント出場に向けて熾烈(しれつ)な戦いを続ける大学バスケットボールのゲーム中心に報道。一方のWBCはMLBネットワークで放映されているものの、注目度を比較すると「完敗ムード」が漂う。スプリング・トレーニングに訪れるメジャーリーグファンの間でも温度差があり、第3回にして「熱狂的な野球ファンのためのイベント」というイメージが定着し始めている。
米国からWBCの興味が消える危機
4月から10月が「ベースボールの季節」なのであれば、その期間に開催することがファンの興味を呼ぶ最善策ということになる。大会前、米メディアは米国代表が期待外れの結果に終われば、「米国のベースボールファンのWBCに対する興味が消えてしまう恐れがある」と危惧(きぐ)していた。第1ラウンド敗退となれば、その状況が一気に現実味を増す。米国が決勝に進み、ワールドチャンピオンを懸けて戦うような状況になれば、関心が少しは高まるだろうが、果たして――。
<了>
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