威風堂々サブマリン、侍3連覇のカギは牧田
プレッシャーをパワーに変えるメンタル
「多少というか、すごくありましたよ。他の先発、中継ぎの見えないプレッシャーが伝わってきました。中継ぎはシーズンが始まってからけっこう投げています。だから完投しようと思って投げました。見えないプレッシャーはたくさんありましたよ。でも、攻めて負けるのはしょうがない。思い切り自分の仕事をするだけです」
味方の気持ちを背負ってマウンドに上がる。しかし、気負いすぎない。『言うは易く行うは難し』だが、牧田はプレッシャーをパワーに変えるメンタルを備えている。
昨季の夏場、先発を務めていた牧田にクローザーの難しさをたずねたことがある。
「失投できないことですね。コンピューターではないから失投はあるんですが、失投を少なくすることが求められます。結局、チームが相手より1点多ければいいので、点を取られてもいい。そうは言っても、1−0はきついですけどね。1球1球が勝負。魂を込めて投げないと、先発、チームの勝ちが消えてしまうので、大変なポジションです。
プレッシャー? そうですね。でも、絶対にゼロを続けることはできない。岩瀬(仁紀、中日)さんでも打たれることはあるんですから。点を取られて、引きずっても前に進めない。いかに切り替えるかでしょうね」
最も重圧のかかる場面は牧田が最も輝ける場所
しかし、浅尾拓也(中日)が右肩痛で落選し、最もプレッシャーのかかる場面での登板が予想される。同時にそのマウンドは、牧田が最も輝ける場所でもある。
「(大学2年以来の)日の丸は非常に重いですけど、深く考えすぎず、自分のパフォーマンスを出せればいい。もちろん3連覇が目標だけど、目先の1試合をしっかりやって、3連覇できれば」
WBCの舞台でも、牧田が心掛けるのはいつも通りの投球だ。世界の猛者を封じ込めたとき、右腕は再びこう口にするだろう。
「自分のピッチングをすれば、抑えられる自信がありました」
常に威風堂々とするサブマリンが、3連覇へのカギを握る。