“ミスターPRIDE”シウバが語る日本、UFC、格闘技―−

長谷川亮

「日本人に強かった?僕の方が運が良かっただけ」

日本で格闘技を盛り上げるためには「ファンのみなさんの力が必要」とUFCを一緒に盛り上げたいと語ったシウバ 【t.SAKUMA】

――6年ぶりの試合となる日本大会への気持ちはいかがでしょう。

 日本のファンと私の再会という場面でもありますし、本当にいい大会ができると思います。MMA、総合格闘技の日本での再スタートという意味もありますし、この大会の後きっと格闘技の人気がまた出ると思います。

――今回の会場はPRIDE時代に多くの試合をこなしたさいたまスーパーアリーナです。スーパーアリーナへの思い入れがあれば教えてください。

 世界中の会場の中でもさいたまスーパーアリーナはやはりお気に入りの場所です。私のキャリアの中で本当に重要な試合の数々が行われた場所ですし、おそらく3月3日もそうなるでしょう。いい試合をします。

――来日会見では日本でTUF(若手ファイターの登竜門的テレビ番組)が行われたら、コーチをしてもいいとおっしゃっていましたね。

 日本にリアリティーショーを持ってきて、どこかのテレビ局と契約できて放送ができれば、すごく大きな影響があると思います。今は人気が落ちているという格闘技もまた返り咲くのではないでしょうか。そういう意味で日本に必要な企画ではないかと思っています。

――多くの日本人選手が挑みながら勝つことのできなかったシウバ選手ですが、日本選手が強くなるには何が必要だと思いますか?

 何が足りないという訳ではなく、僕の方が運が良かっただけだと思います。日本の選手はしっかりコンディションを整えて、ガッツがあって高いモチベーションで臨んでくるので、素晴らしい選手がたくさんいると思います。

「シウバは昔と少しも変わっていない」

――日本でのTUFの実現に随分意欲的なようですね。

 まだ日本で総合格闘技の存在すら知らない人たちに、見せる企画と機会をぜひ作っていきたいと思いますし、テレビ局とUFCがタッグを組んでそれをやってくれれば、きっといい視聴率を上げられると思います。もっともっといろんな可能性があると思いますが、そういった全く知られていない層にまで総合格闘技を持っていける企画がTUFだと思います。

――シウバ選手がTUFのコーチに就任したら、どんなコーチになるのでしょうか。

 厳しく教育したいと思います(笑)。

――分かりました(笑)。シウバ選手ご自身は6年前と何か変わっているのでしょうか。また変わっていないことは。

 昔と同じように練習も続けてますし、年齢を少し重ねただけでヴァンダレイ・シウバは変わっていません。安心してください。

――36歳になられましたが、年齢を感じることは?

 ノーノーノー。特にないです。ただ昔よりケガをしないで練習する方法が身についたので、もう少し効率よく練習はできています。
――最近は引退を匂わせる発言もありましたが、キャリアの幕引きはどのようにお考えですか。

 まだ最後ではないです。まだ体は元気なので、身体が元気なうちは戦い続けるつもりです。

――日本では今回が最後の試合に?

 いえ、分かりません。それを決めるのは私ではなくトップの人たちですので。

――テーマ曲の『Sandstorm』がスーパーアリーナに鳴り響き、曲名通りの試合が見られることを楽しみにしています。最後にメッセージをお願いします。

 また日本で戦うことができて本当にうれしく思っています。ファンの方も待っていてくれてありがとうございます。ぜひ会場に足を運んで見に来てください。来られない方もぜひテレビの視聴率で格闘技の力・人気を示しましょう。みなさんがもっとUFCやこういったイベントを見たいのであれば、それはやはりみなさんの力にかかっています。ファンのみなさんの力が必要です。アリガトウ。

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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