思いもよらなかった、日本馬による香港スプリント制覇=香港国際競走回顧

JRA-VAN

香港ヴァーズ:ジャパンC外国馬誘致にプラス!?

香港ヴァーズで、日本代表ジャガーメイル(左から3頭目)は2着大健闘 【写真は共同】

 昨年のG1BCターフ(芝12ハロン)2着などの実績があり、レーティング最上位だった英国調教馬シームーン(牡4)が、血液テストの結果が芳しくないとの理由で枠順確定後に出走を取り消したため、前年に続くこのレース連覇を狙った仏国調教馬デュナデン(牡6)が、オッズ2.1倍の抜けた1番人気に推されることになった。 

 戦前の予想通り、英国から遠征した昨年のG1英オークス(芝12ハロン10ヤード)勝ち馬ダンシングレイン(牝4)がハナを切ったものの、突く馬がおらず、6ハロン通過が1分16秒78という超がつくスローペースになった。

 淡々とした流れが3コーナーすぎでようやくテンポアップした中、直線に向くと馬場の真ん中を通って先頭をうかがったのが、香港のリーディングジョッキー、D.ホワイトに手綱をとられ、道中は6番手で競馬をしていた日本代表ジャガーメイル(牡8)。その内を通って、道中はジャガーメイルのすぐ前を進んでいた英国調教馬レッドカドー(セン6)が伸び、勝負は2頭の一騎打ちに。最後はレッドカドーがジャガーメイルに短頭差先んじて優勝を飾った。1番人気のデュナデンは中団から伸びず5着に終わっている。

 レッドカドー(オッズ10.55倍の5番人気)は、昨年のこのレースの3着馬。8着に終わった前走G1ジャパンC(芝2400メートル)から転戦しての出走だった。2着ジャガーメイルも、前走はジャパンCに出走して10着に敗れていたため、ここはオッズ53.5倍の最低人気という低評価だった。ジャパンCから香港ヴァーズというのは中1週という厳しいローテーションになるのだが、この臨戦態勢の馬が1、2着した事実は、来年以降のジャパンC外国馬誘致にプラスに働きそうだ。

 それにしても、8歳馬ジャガーメイルの頑張りには、頭が下がる思いである。

<了>

(文・合田直弘/協力・JRA−VAN)

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