村井慎二「大分が勝って喜ばなければいけない」=悲願のJ1昇格へ、古巣・千葉戦に挑む
決勝戦は1点を争う緊迫した試合になる
ジュニアユースから育った古巣への思いは強い。それでも村井は「大分が勝って喜ばなければいけない」とJ1昇格へ並々ならぬ意欲を示した(写真は第28節のもの) 【(C)OITA F.C.】
プレーオフの対戦相手が決まったときから、勝てば千葉だなというイメージはあったんです。根拠はないけど(笑)。
――千葉も4−0で決勝に進みましたが
すごいですよね。4点決めたチーム同士が決勝を戦うなんて、なかなかないですよね。ただ、決勝は大量得点にはならないと思うし、1点を争う緊迫した試合になるとは思います。
――千葉の強み、弱みは
弱点はないと思います。実際に千葉の試合はあまり見ていないですが、ちらっと見たときにすごくいいサッカーをしていたし、客観的に見てもレベルが高く、今年は手強いなと思いました。本当にJ2のなかでは突出したチームだし、J1のチームとやるイメージですね。
――最も警戒すべき選手は?
昇格したいという気持ちはみんな持っていると思うけど、そのなかでも一番強い気持ちをもっているのが(佐藤)勇人だと思います。ジュニアユースから千葉で育って、キャプテンマークもつけているし、ここ一番で力を発揮する選手だと思います。彼を自由にプレーさせたくないですね。
国立のスタンドを青く染めて欲しい
千葉は昇格できると思っているし、勢いがある。引き分けでもいいというアドバンテージもあり、まともにやったら負ける。ただ、ウチが今年やってきたことをどれだけ出せるかで状況は変わると思います。試合中にまた成長するんじゃないかとも思っています。千葉より若いチームなんで、ぐーんと伸びて勝っちゃうんじゃないかと。それだけ気持ちを注入してくれる監督がいるんで、選手が伸びると思います。
――村井選手も千葉に対して並々ならぬ思いがあると思いますが
それはあります。大分の方々はJ1昇格を強く願っているし、サポートもしてくれていますが、千葉も同じようにたくさんの支援をしてくれる熱いサポーターがいます。2年間昇格できなかった悔しさもあるだろうし、決意をもって試合に臨んでくると思います。ただ、このチャンスを逃すわけにはいかないと相手もウチも思っている。面白い試合になると思います。
――勝利しても育ててくれた古巣の希望を打ち砕くことになり、心から喜べないのでは
正直、そんな余裕はないです。大分が勝って喜ばなければいけないし、目の前の敵を倒すだけです。
――どんな試合を想像しますか
青く染まったスタンドで、最後は僕たちが大分のサポーターと喜びを分かち合っている姿が浮かんでいます。
――青のユニホームは慣れましたか
黄色と緑のユニホームを長く着ていたけど、自分では青のユニホームは似合っていると思います。背番号11もしっくりきているし、自分なりに色が出せていると思います。
――(イビチャ・)オシム監督に学んだ村井選手にとって、田坂監督は共通点、優れた部分などありますか
気持ちです。サッカーに対する情熱が似ていると思います。アプローチの仕方は違うんですが、強い気持ちを持ちつつ柔軟性があり、おせおせではなく、サッカーを知り尽くしていると思います。田坂監督は、開幕からプレーオフまで一貫して自分たちのサッカーを追求しているところはありますが、いろんなもの取り入れながら選手の特性を生かすためのサッカーを考えています。最先端なのかな。もっといいものがあるだろと追求しているし、やり方も少しずつ変っているし、先を見据え、読みながら頭を働かせている監督です。
――それでは最後に、サポーターへメッセージをお願いします
ジェフのサポーターに負けないぐらい国立に集ってほしいです。交通手段が限られていますが、監督の集大成を見て、トリニータの今季最後の試合を見て、選手に力を与えてほしいです。よろしくお願いします。
<了>