武豊2年ぶりGI美酒、西園師「彼は競馬界の宝物」=マイルCS
武豊がサダムパテックでマイルCS初勝利、自身にとって2年ぶりのGI制覇となった 【スポーツナビ】
サダムパテックは今回の勝利でJRA通算16戦5勝。重賞は2010年GIII東京スポーツ杯2歳S、11年GII弥生賞、12年GII京王杯SCに続き4勝目。
騎乗した武豊はこれが2010年GIジャパンカップ(ローズキングダム)以来2年ぶりのJRA・GI制覇となり、通算66勝目。さらにマイルCSは21回目の騎乗で初勝利となり、JRA・GI完全制覇へ残るは朝日杯FSのみとなった。また、同馬を管理する西園正都調教師は10年エーシンフォワード以来のマイルCS2勝目。
一方、クビ差の2着には内田博幸騎乗の1番人気グランプリボス(牡4=栗東・矢作厩舎)、さらに半馬身差の3着にはクリストフ・スミヨン騎乗の5番人気ドナウブルー(牝4=栗東・石坂厩舎)が入った。
ウイナーズサークルで「ユタカ」コール
レース後のウイナーズサークルでは「ユタカ」コールも沸き起こった 【スポーツナビ】
「お久しぶりです。誰よりも僕が喜んでいます」
ウイナーズサークルで笑顔がはじけた武豊。そんな天才騎手に対し、スタンドから今度は「ユタカ」コールが自然発生していた。
レースは、同厩舎シルポートが逃げるのを見る形で中団よりやや前の位置取り。
「1番枠を引き当てた時点で想定は絞られていましたからね。スタートをまず決めたいと思っていました。1頭逃げ馬がいましたが、それ以外はそうでもない。後ろに置かれないようにと思って、ある程度、位置は決めていました」
新相棒の脚質、特徴を最大限に引き出した
テン乗りの天皇賞でつかんだサダムパテックの長所を100%引き出した騎乗だった 【スポーツナビ】
「トップスピードに行くまでが早いタイプではなく、差し馬だけど最後までバテない馬。だから3コーナー下りで一気にスピードに乗せるのではなく、じわじわと行きました」
この“バテない”特徴を生かし切り、ゴール前の叩き合いでも同期のGI2勝馬グランプリボスを競り負かしてグイッとひと伸び。“これぞ武豊!”とうならせる騎乗で、自身にとっては約2年ぶり、そして新相棒サダムパテックには7度目の挑戦にして初のGIビッグタイトルをもたらした。