武豊2年ぶりGI美酒、西園師「彼は競馬界の宝物」=マイルCS
「正直、ここ1、2年の中では一番チャンスと思っていた」
2010年の落馬負傷後、かつてない不振に苦しんでしたが、「正直、きょうはここ1、2年で一番チャンスだと思っていた」 【スポーツナビ】
こう喜びを語ったのは西園調教師だ。初コンビとなった前走のGI天皇賞・秋では8着に敗れたものの、「レース後にユタカ君が、もう1回どうしても乗りたい、と言ってくれました。ユタカ君の気持ちにかけました」。そして、武豊はこの志願の騎乗を、満点の結果でもって応えてみせたのだ。
「久々のGIと言っても、まだ2年ですから。そう簡単には勝てないですよ」
GIを勝つ難しさを、武豊はそう表現したものの、2010年の落馬負傷以降、GIのみならず勝ち鞍数も減少。天才は苦しんでいた。
「GIだけじゃなくて、勝ち星自体が激減していましたからね。こんなはずでは、という思いでやってきて3年……うまくいかなかった。でも、一生懸命やるしかないですから」
そして、ついにこの日、サダムパテックというビッグチャンスを得、それをモノにしてみせた。武豊が打ち明けた。
「天皇賞で乗って、いい馬だなと思っていましたし、サダムパテックは1600メートルの方がいいんじゃないかとも思っていました。稽古も良かったし、きょうみたいな馬場も合うかなと。正直、ここ1、2年の中では一番チャンスがあるんじゃないかって、レース当日のきょう、そう思っていました」
JRA・GI完全制覇へ王手、「ケチャップのようにドバドバと」
JRA・GI完全制覇へ王手! またサダムパテックとは香港マイル参戦プランも浮上だ 【スポーツナビ】
「久々にGIを勝てたので、今後はケチャップのようにドバドバ出したい(笑)」
一方、こちらも待望のGIタイトルを手にしたサダムパテックは、「選ばれれば行きます」と、12月9日に開催される国際GIレース・香港マイルへの出走を西園調教師が表明。武豊も「香港の力の要る芝はサダムパテックにとって悪くないですね」と太鼓判を押しており、勢いを増した人馬の次なる活躍の舞台は香港、相手は世界のトップホースとなりそうだ。